木炭
木炭は、人間が火を使い始めたときから存在し、古来より燃料として使用されてきました。まきと違い煙が出ないため、現在でも料理用や暖房用として活用されています。それに加えて、木炭には除湿や脱臭の効果があるため、燃料以外にも利用されています。木炭にはなぜそのような効果があるのでしょう。木炭とは、木材を高温で燃やして炭化させたもので、一見すると黒くて硬い木のかたまりにしか見えません。しかし、その表面を電子顕微鏡などで見てみると、実は穴だらけなのです。この構造は多孔(たこう)質とよばれ、そのため木炭は非常に大きな表面積を持ちます。木炭約1グラムの大きさはピーナッツ大に過ぎませんが、その表面積は300平方メートルで、この広さは25メートルのプールの面積に匹敵します。数ミクロン(1ミクロンは1000分の1ミリ)から数百ミクロンという非常に小さい無数の穴が、木炭の内部を通過する様々な物質を吸着します。このため、木炭には除湿や脱臭、さらには浄水効果もあります。木炭には、目には見えない驚くべき力があるのです。