天気と体調・1
雨や曇りの日は気分がすっきりせず、気持ちが落ち込んだりするという経験は誰しもあることでしょう。昔から、天気は私達の精神的な部分に影響を与えるものであると同時に、生体機能にも作用することがあると考えられてきました。天気が崩れると関節炎やリューマチなどの症状を訴える人も少なくないことや、「頭痛がすると天気が変わる」とか「体がだるいと天気がかわる」という天気のことわざがあることからも、天気と体調には関係があると推察することができるでしょう。現代では「生気象学(せいきしょうがく)」とよばれる大気の環境が生体に及ぼす影響を研究する学問も登場し、その関係が徐々に解明されつつあります。最近のある研究によると、天気の変化が頭痛を引き起こす原因は気温と気圧の低下だといいます。気温の低下が頭痛を引き起こす原理は冷たいものを食べたときに頭が痛むのと同じで、体が急に冷えることで血管の壁が収縮し、それによって痛みを感じ取る箇所が刺激されるためだと考えられるのです。また、気圧の低下が頭痛を引き起こすのは、飛行機や登山などによって空気の薄い高い場所へ行ったときに頭が痛むことと同じメカニズムだといえます。このほかのさまざまな病気や体調の変化についても、天気がどのように関わっているのかの研究が進められています。