吹き返し
みなさんは台風が接近、上陸した時に、一度風がおさまった後、逆向きの非常に強い風が吹き始めたという経験はありませんか。台風は巨大な空気の渦巻きで、上から見ると中心へ向かって反時計回りに非常に強い風が吹き込んでいます。そのため台風の通過に伴い、風向きが変化するのです。2003年の8月8日に台風10号が上陸した室戸岬を例に見てみましょう。室戸岬は、台風の中心が通過するまでは台風の中心よりも北側に位置していたため、東よりの強い風が吹いていました。台風の中心が通り過ぎたあとは、今度は台風の中心よりも南側に位置することになり、台風を回り込む風は西よりにかわりました。この台風の通過後の逆向きの風を「吹き返し」といいます。台風の中心近くでは一度風がおさまるため安心してしまうことがあります。しかし、吹き返しは、台風の中心の通過後まもなく、突然吹きだし、台風の中心が通過する前よりも強く吹く場合もあります。そのため、思いもよらない吹き返しによって、被害にあってしまうことがあるので、十分に注意しなくてはならないのです。