夏休みの真っ最中、まだ多くの方が海水浴を楽しんでいます。ただ、海水浴シーズンは台風シーズンでもあるため、海の波には特に気をつけなければなりません。
海には大小様々な波が発生しますが、その種類は大きく二つに分類できます。それは風浪(ふうろう)とうねりです。
風浪とは風の影響を直接受けている波のことで、風が強く、また吹いている時間が長いほど、そして波が風を受けられる距離が長いほど発達します。
はじめはさざなみ程度ですが、風のエネルギーを受けるに従って高さを増し、峰がとがってきます。この波の頂のとがった形が風浪の特徴です。
一方うねりは、風浪が遠くまで伝わって、風が吹いている海域を離れたものです。波の頂が丸みを帯び、風浪と比べて峰と峰の間が長いことが特徴です。台風によって遠い海からやって来る土用波(どようなみ)もうねりの一種です。
うねりは、風の無いときでもやって来るものなので、波に対して油断している時期に現れる危険な波といえるでしょう。
お天気豆知識(2025年08月08日(金))


台風の時期になると、天気予報で「台風からのうねりにご注意ください」という呼びかけをよく耳にするでしょう。なぜうねりには注意が必要なのでしょうか。
波は、次の波との間隔が長いほど浅瀬に達したときに波が高まる性質があります。また、長い波ほどスピードが速く、遠くまで伝わっていってもエネルギーの衰えは少なくなります。
そのため、うねりが浅瀬に近づいて速度を落とし始めると、次のうねりとの距離が縮まって狭い範囲にエネルギーが集まるため波高が高くなり、沿岸では大変危険なものになる、というわけです。
うねりは波の中でも峰と峰の間隔が長い波なので、沿岸に近づいたとき、より高い波になりやすいのです。
また、台風が北緯20度よりも北に移動してくると、台風のうねりは日本列島に2日の内に高波となってうち寄せてくると言われています。晴れて風が穏やかなときでも、台風が遠くの海上にある場合は十分注意が必要です。