夏、強い日差しがじりじりと照りつける日には、しばしば道路に「逃げ水」を見ることができます。
逃げ水とは蜃気楼(しんきろう)の一種で、前方に黒っぽい水たまりのようなものが見える現象です。
地面の一部が鏡になったようにも見えることから、中国では、逃げ水のことを「地鏡」という漢字で表現しています。
また、逃げ水は砂漠にもあらわれます。昔、ナポレオンがエジプトに遠征したときには、砂漠の中にあるはずのない湖が見えて兵士たちは何度もだまされてしまったといいます。
そのときナポレオンとともに遠征していた数学者のモンジュという人がこの現象について研究したことから、逃げ水は「モンジュの現象」ともよばれています。
お天気豆知識(2026年08月07日(金))


蜃気楼とは、上下の空気の温度差によって、その空気を通過する光が曲げられるためにできる現象です。
逃げ水はその中でも「下位蜃気楼」とよばれるタイプのもので、地面付近の空気がそれより上の空気に比べて特に暖かいときに発生します。
日差しの強い日は地面がよく暖められるので、地面付近はそれより上の空気よりも温度が高くなり、逃げ水も現れやすくなります。
特に熱を吸収しやすい砂地やアスファルトの上では、その表面付近の空気が非常に高温になるため、逃げ水がよく見られるのです。
ちなみに、晴れた日に長い直線道路などで目線をできるだけ低くすれば、夏の暑い日でなくても見られることがあります。

