農業を盛んに行ってきた日本人は、水の神・水の精霊として「河童(かっぱ)」を恐れ崇めてきました。
現在でも梅雨の時期になると川祭りや河童祭りが行われている地域もあります。「河童」と聞いて想像するのは、頭の上に皿を載せ、いたずら好きのちょっとかわいらしい生き物、といった感じでしょうか。しかし、昔から言い伝えられている本来の河童の姿はこれとは全く違うようです。
水の精霊である河童は、陸地、水の中の両方で活動することができ、顔は虎に似ていると言われています。姿は4歳くらいの子供のようですが、口には尖ったくちばしがあり、体はうろこに覆われて、毛髪はほとんどありません。
頭頂部には水が少し入るくらいの皿のようなくぼみがあり、その皿の中に水がある間は陸上でも生きていられると考えられていました。
他にも、河童はウリ科を好むとか、人間の子どもに化けることができる、さらには動物を水中に引き入れて血を吸うという説もあるようです。
もちろん河童は実在しない架空の生き物ではありますが、小さな子供にこんな話をしたらきっと怖がってしまうでしょうね。
お天気豆知識(2026年06月27日(土))


河童の伝説はいろいろな地方に存在していますが、中国地方や九州地方の一部では河童は季節によって姿を変えると言い伝えられてきました。
それによると、夏は河童として存在し、秋の彼岸になると山に入って「山童(やまわろ)」になります。そして、春の彼岸になると山童は山から下りて再び河童になるというのです。
山童とは、山の神に仕える妖怪と考えられています。全身が長い毛で覆われており、体は河童に毛が生えたような感じですが、目がひとつしかないという特徴があります。
山の神は春になると山から里に下って田の神になり、秋になると再び山に帰って山の神になると言われ、河童と山童も同じように結びつけられたようです。
つまり、河童は、夏は水の精霊として存在し、冬は山童に姿を変えて、山の精霊として存在しているというのです。これも、日本人の生活の中に「季節」というものが切っても切れない関係であったことを示しているのかもしれません。

