夏の星座で花形といえば、さそり座ではないでしょうか。
さそり座は黄道12星座として星占いに登場するだけでなく、その形や明るい星の数など夏の王者としてふさわしい星座です。
それゆえ、夜空の中でさそり座を見つけ出すのは、空がよほど明るくない限り簡単です。南の空を眺めて、「S」字形の星の並びを探せば良いのです。
ちょうどサソリの心臓の位置にある赤く輝く星が一等星の「アンタレス」です。アンタレスはアンチ・アレースという言葉からきていて、「火星に対抗するもの、火星の敵」という意味があります。火星がアンタレスの近くをしばしば通り、そのときに両者が星の赤さを競い合うところから由来しています。
また、さそり座はギリシャ神話によると「自分より強い者はいない」と豪語していた狩人のオリオンをこらしめたサソリの姿だといわれています。
そのため、オリオンは冬の星座として、サソリから逃げるように夜空を巡っているのです。
お天気豆知識(2025年07月01日(火))


今の季節、夜9時ごろの東の空を眺めると際だって明るい星を3つ見つけることができます。
そのうちの一番上にある星がこと座のベガで、右下にある星がわし座のアルタイル、もうひとつ、左にある星ははくちょう座のデネブです。このうちのベガとアルタイルは、今の時期なくてはならない星です。なぜなら、七夕のお星様だからです。
こと座のベガがおり姫、わし座のアルタイルがひこ星にあたり、彼らが年に1回のデートを楽しむのが七夕の日ですが、現実には2つの星の間には、およそ15光年もの距離があり、光の速さで進んでも15年かかってしまいます。
夜空だとほんのわずかな距離にしか見えませんが、実際はたいへんな距離なのですね。
ちなみに、わし座のアルタイルは「飛ぶわし」という意味のアラビア語で、こと座のベガは「落ちるわし」という意味です。つまり、アラビアでもアルタイルとベガを一対のものとしてとらえていたのです。
七夕伝説だけではなく、アラビアでもこの2つの星は特別な関係で結ばれているようですね。