1月も中旬に入り寒さも一段と厳しくなってきています。あたたかい寄鍋(よせなべ)が食卓にのぼる機会も多くなりました。
冬の季語にもなっている寄鍋は、鳥、魚、野菜などを大きな鍋に入れて、煮ながら食べる料理です。もとは関東のとくに東京独特の鍋料理として明治中期からはやりだし、家庭でも盛んに食べられるようになったと言われています。
寄鍋の材料は、鍋に入れる前にまずお皿の上に美しく盛り付けられます。入れる材料は種類が多いほど味が複雑になっておいしいと言われ、鍋の中に何が入っているか楽しみながら食べるため「楽しみ鍋」の別名もあります。
ぐつぐつと湯気のあがる様子はいかにも風情があり、あたたかいうちに鍋から直接食べられるのは、まさに寒い冬にぴったりの食べ物と言えるでしょう。そして何といっても家族や仲間たちとおしゃべりをしながら寄鍋を囲めば、体だけでなく心まであたたまるのではないでしょうか。
お天気豆知識(2026年01月11日(日))


全国には、その土地独特の材料と味付けの鍋物があります。北海道の石狩鍋(いしかりなべ)は、石狩地方の郷土料理でサケの切り身や骨、白子、いくらなどが入った鍋です。
また、秋田地方の塩汁鍋(しょっつるなべ)は、魚やイカを塩とこうじで漬け込んで作った塩汁(しょっつる)と呼ばれる調味料を使います。この塩汁で、日本海で獲れる旬の魚ハタハタと、ねぎやごぼう、きのこなどを煮込んで作ります。
長野地方に伝わるのは、馬肉を使ったさくら鍋です。この名前の由来としては、肉が桜色をしているから、桜の季節に肉がおいしいからなどと言われています。作り方はすき焼きとほぼ同じですが、割り下にはしょう油やみりんの他にみそを使って味付けをします。
そして、岐阜県に伝わる牡丹鍋(ぼたんなべ)は、いのししを白みそで煮込んだ鍋です。古くから貴重なたんぱく源として親しまれてきたいのししの肉は、食べると体があたたかくなるとも言われています。
最近人気のもつ鍋は、福岡の郷土料理です。材料は、牛もつ、ニラ、キャベツ、ニンニク、鷹の爪、豆腐など。シイタケと昆布で出汁を取るしょう油味が多いようですが、味噌もあります。
この他にも、その土地の気候や風土にあった独特の鍋料理がたくさんあります。冬の季語にもなっている鍋、あたたかい鍋物を探して、いろいろな地方に出かけてみるのもおもしろいですね。

