3月も半ばに入り、桜がいつごろ開花するのか気になる時期になりました。気象庁から発表される開花の対象となっている桜は、沖縄のヒカンザクラと北海道のエゾヤマザクラ、チシマザクラを除いてすべてソメイヨシノという品種です。
ソメイヨシノは葉より先に花が咲き、花つきが多く華やかなこともあって、多くの公園や並木に利用されており、人々に親しまれている、日本の代表的な桜といえるでしょう。
このソメイヨシノは、江戸時代にオオシマザクラとエドヒガンザクラを交配して作られたと言われています。
当時から吉野山(奈良県)の桜の美しさは有名でしたが、交通事情などにより江戸から吉野山へ行くことはたいへん困難なことでした。そこで江戸染井村(現在の東京都豊島区)の植木商が、「吉野桜」という新しい品種の桜をつくり、吉野山へ行かずとも吉野の桜を見られるといって売り出したのです。そして、たちまち吉野桜は上野公園などに数多く植えられることになりました。
このため吉野桜は当初、「吉野山の桜」だと江戸の人々に勘違いされていましたが、ある時、染井村の植木商から購入したことが分かり、「ソメイヨシノ」という名が付けられたのです。
桜といえばソメイヨシノと、今では定番のように思われていますが、意外とその歴史は浅いものだったのです。
お天気豆知識(2026年03月11日(水))


桜はその種類によって、咲く時期に違いがあります。沖縄では、1月のうちからカンヒザクラとよばれる種類の桜が咲き、また本州でも静岡県の熱海あたりでは梅の花が咲くころにカンザクラが咲くようになります。
そして3月後半からはいよいよソメイヨシノのシーズンです。
4月後半になると、ソメイヨシノにかわってオオヤマザクラやカンザンといった桜が見頃を迎えます。また、その後もゴールデンウィークの終わりにかけてはナラノヤエザクラが咲き続け、花見を楽しむことができます。
晩春の最後に咲くのが比較的寒い地域に分布するミヤマザクラです。ミヤマザクラは5月の中旬から下旬にかけて満開になります。
桜といえば春のイメージがありますが、春以外にも咲く桜はあり、フユザクラ、ジュウガツザクラ、シキザクラなどは秋から冬にかけて咲く種類です。これらの桜の下では、贅沢にも紅葉した木々を背景に花見ができるのです。
このように、桜と一口にいっても実にたくさんの種類があり、日本では夏のほんの2か月ほどを除いた10か月の間、どこかで何らかの桜の種類が花を咲かせているのです。

