この時期になると、北日本を中心に初雪の便りが続々と届くようになります。
早いところではすでにオープンしているスキー場もありますが、この時期はまだ思うように雪が降らないため、まとまった雪の降るのを待ちわびる声も多いようです。では、どんな条件になると雨が雪に変わるのでしょうか。
実はこの答えは、上空の大気の状態によって変わるため、はっきりと言うことはできません。
私たちが生活する地上付近での目安としては、気温が2度以下になるとほとんどの場合に雪になると言われています。一方、気温が6度以上では雪ではなく雨になるのが普通です。
ただし、雪となる条件には気温だけではなく湿度も関係しています。例えば地上の気温が3度のとき、湿度が50パーセント以下では雪になりますが、湿度が約70パーセントを超えると雪と雨の中間のみぞれになり、さらに湿度が上がると完全に雨になります。
同じ気温でも湿度が低ければ雪になり、湿度が高く空気が湿った状態になるとみぞれや雨となって地上へ降ってくるのです。
お天気豆知識(2025年11月19日(水))


冬になると雨や雪の他にも、凍雨(とうう)と呼ばれる氷の粒が空から降ることがあります。凍雨は、雪やあられの粒が上空から落ちてくる間にいったん溶けた後、地表面付近で再び凍って降ってくるものです。
普通は地表面付近の空気の方が上空よりも暖かいため、一度溶けた雪やあられが地上に落ちるまでの間に再び凍ることはありません。しかし放射冷却などの影響により、地表面付近の温度が上空よりも低く、0度以下になることがあります。
上空から降ってきた雪やあられは、いったん0度以上の大気の中で溶けて雨になります。そして、いったん溶けた雪やあられが、地上付近でもう一度凍り、凍雨となって落ちてくる場合があるのです。
あられと凍雨はどちらも氷の粒ですが、あられは白色や不透明な粒であるのに対して、凍雨はいったん溶けたものが再び凍りつき、透明または半透明の粒になります。
2003年の1月には、埼玉県で夜の間に凍雨が降り、翌朝の電車の運行に大きな影響が出たこともありました。
凍雨は雨や雪のように一般的な現象ではなく、ごく稀に起きている現象です。そのため、突然の凍った雨が降ってくれば思わぬ被害につながる場合もあるのです。

