皆さんは「晴れ」といえば、どんな空を想像するでしょうか。きっと多くの方は感覚的に雲が少ないと感じるときに使っていることでしょう。しかし気象の世界では、「晴れ」にもきっちりとした定義づけがなされているのです。
たとえば、「晴れ」と「快晴」は同じものでしょうか。定義によればこれらは別のものになります。「快晴」は「晴れ」よりも雲の少ない状態、つまり空に雲が全くないときは「晴れ」ではなく「快晴」に分類されます。
また青空が少しでも確認できれば晴れかというと、そうでもありません。空のほとんどが雲に覆われて一筋の光が漏れているくらいでは、「晴れ」ではなく「曇り」に分類されます。
さらに、空の半分が雲に覆われている状態は「晴れ」と言ってよいのでしょうか。これは定義に従えば、「晴れ」で正解です。
普段、何気なく使っている「晴れ」という言葉を正しく理解し、天気予報を上手に利用しましょう。
お天気豆知識(2025年12月23日(火))


天気というのは、気温や湿度、風、視程などの要素に加えて、雨や雪、霧、雷などの現象と雲の量に着目した大気の総合的な状態をいいます。そのため雨や雪などの現象がある場合には、それによって天気を選び、これといって雨などの現象がない場合には、雲の量によって天気を決定しています。
このとき雲が空全体に占める割合が1割以下では、「快晴」になります。そして「晴れ」とは、空を観測したとき、雲が空の2割から8割を占めている状態をいいます。さらに、雲の量が空の9割以上を占めているときは「曇り」になります。
ちなみに空の9割以上が雲に覆われていて、巻雲(すじ雲)、巻積雲(いわし雲)、巻層雲(うす雲)とよばれる空高くに現れる薄い雲が多く見られるときには、「薄曇り」と表現されます。私達は雨上がりなどによく「日がさす」という言葉を使いますが、これにも定義があり、「曇り」のとき、すなわち雲が空の9割以上を占める場合に青空が見えることをいうのです。
このように、私達が感覚的な基準で使っている気象用語には、それぞれはっきりとした定義があるのです。

