9月9日は重陽(ちょうよう)の節句です。あまり聞きなれない言葉ですが、江戸時代の祭日である「五節句」のうちの一つです。
五節句には、新年に七草がゆを食べて一年の無事を祈る人日(じんじつ)の節句(1月7日)、ひなまつりの上巳(じょうし)の節句(3月3日)、端午の節句(5月5日)、七夕の節句(7月7日)があり、その最後を締めくくるのが9月9日の重陽の節句です。
春の上巳の節句は桃の節句、初夏の端午の節句は菖蒲(しょうぶ)の節句と呼ぶように、重陽の節句は菊の節句とも呼ばれます。
重陽の節句には、邪気を払い長寿と一家の繁栄を祈って菊の花を浮かべた酒を飲んだり、菊に綿をかぶせて、露で濡れたその綿で体をふく習わしもあり、平安時代から明治時代までは庶民の間でこのような様々な行事が行われていました。
しかし最近では菊の品評会が行われる程度でほかの節句に比べてなじみのうすいものになっています。せっかくですからたまにはお酒に菊を浮かべ、この節句を祝ってみるのもいいかもしれませんね。
お天気豆知識(2026年09月08日(火))


通常、菊は秋に開花しますが、実際には一年中その花を楽しむことができます。
菊の花は昼の時間が短くなるのを察知して開花しますが、栽培する際にこの菊の特性を利用して、秋以外の季節でも花を咲かせているのです。
たとえば、菊を早い時期に咲かせたいとき、栽培農家は夏の日差しを遮って日照時間を短くする工夫をします。日の長い時期は夕方前に黒い覆いをかけるなどして人工的に夜を作り出すのです。
その結果、菊は日が短い秋になったと勘違いして、早く花を咲かせます。このように栽培された菊は「シェード菊」といい、これによりお盆前に花を咲かせることができるのです。
一方、開花時期を遅くしたいときには、電球で光を当てて人工的に日照時間を長くします。電球の光によって昼の時間を長くして、菊にまだ夏だと錯覚させるのです。このように育てられる菊を「電照菊(でんしょうぎく)」といいます。
菊の花の特性を利用して栽培することで、一年中楽しむことができるのです。

