新緑が映え、すがすがしい気分にさせてくれる季節になりました。目に映える青葉とともに、木々から発散される独特の心地よい香りに、思わず深呼吸をした方も多いことでしょう。この独特の香りの正体は、フィトンチッドと呼ばれる物質です。
フィトンチッドの主な成分はテルペン類と呼ばれる化合物で、樹木が有害な微生物から自らを守るため、葉や幹から出しています。テルペン類は、さまざまな効果をもたらすことがわかっていて、ヒノキやカシの木を使ったシューキーパーには、消臭・抗菌の効果があり、革靴の保管に利用されます。また、私たち人間にも良い効果をもたらしてくれます。
ヒノキの香りの成分には、アトピー性皮膚炎などのアレルギー性疾患の原因の一つとされているダニを寄せつけず、繁殖も抑える抗菌・防虫の効果があります。また、自律神経の安定やストレスの緩和、快適な睡眠をもたらすリフレッシュ効果もあるのです。
木の香りは、目に見えないところで私たちの生活に多くの恩恵を与えてくれているのです。
お天気豆知識(2026年05月11日(月))


都会の雑踏を離れて山間地に近づくと、森林独特の香りが漂っていて、とても良いにおいがします。この時期、行楽には山へ出かけての森林浴がおすすめです。
一口に森林浴に出かけるといっても、その効果を十分に受けるには、時期や時間帯、樹種の違いにも気を付けると良いでしょう。
まず季節別でみると、樹木の生長が活発になる春から夏にかけての時期に、リフレッシュ効果のあるテルペン類が最も多く放出されます。冬との比較では、なんと5倍から10倍の濃度にもなると言われています。
樹木の生長のゆっくりしている4月や雨の多くなる6月にはテルペン類の放出量が低下するため、これらの影響が少ない5月は最も良い時期と言えるでしょう。また、時間帯としては午前中、特に正午近くが最も効果的です。
この時間は、朝からの日照により樹木からのテルペン類の放出が進んでいる中、気温は上昇途中にあたります。気温が上昇しきっていないため空気の流れが穏やかで拡散が進まず、テルペン類が森林内に豊富にあるのです。
そして、樹種の違いでは一般に広葉樹にくらべ針葉樹の方がテルペン類の放出が多く、その量は2倍になることがわかっています。

