5月になると風光る春から風薫る初夏へと移り変わり、すがすがしい陽気に包まれて、植物には日々緑の濃さが加わるころでもあります。
しかし一方で、5月は東シナ海やその近辺で発生した低気圧が日本海を急速に発達しながら進み、嵐のように猛威をふるうことがあります。このように発達した低気圧は、それまで安定していた天候を急変させて思わぬ災害をもたらすこともあり、メイストームと呼ばれています。
1954(昭和29)年5月8日に東シナ海付近で発生した低気圧は、翌日9日朝に日本海西部で急激に発達したのちに千島列島方面へ進みました。
通常の2倍の時速70キロから80キロの速さで通過したため、その速さのために逃げ場を失った船舶の多くが沈没、流失し、死者・行方不明者361人を出す大惨事となったのです。
後にこのときの低気圧が詳しく研究され、5月の嵐のことを表す言葉として「メイストーム」と呼ばれるようになったのです。
お天気豆知識(2026年05月07日(木))


春は天気が大きく変わりやすい時期です。1954年5月の大惨事のように、低気圧が時に嵐となって大きな被害を及ぼすこともあるのです。
5月の低気圧は、まず急に発達するという特徴があります。そして急に動きが早くなることもあります。
それは、ちょうどこの時期日本列島が北にある冬の空気と南にある夏の空気に挟まれるためで、南北の気温差を解消しようとする自然の働きが急激に低気圧を活発化させるのです。
このように低気圧が急に発達して動きも早くなると、突然の強風や強雨に見舞われることがあります。
ちょうど5月は山開きとなる所もあり、山に出かける人も多くなります。そのときは、こういった5月の低気圧の特徴を知っておき、前もって雨具などの装備をもち、避難する場所を確認しておく必要があります。
また、残雪のある山の場合は低気圧の通過に伴い雪崩が起きることもあるので十分注意しなくてはなりません。

