アマダイ
秋から冬にかけて旬をむかえる魚に「甘鯛」があります。名前に「タイ」がついているもののタイ科の魚ではなく、分類上はスズキ目アマダイ科アマダイ属の魚で、別の種類になります。身は水分が多くてやわらかいため、あまり刺身では食べず、干したり粕漬けなどにして食べられています。甘鯛は、太平洋では主に駿河湾より西、日本海では若狭湾より西の海域の水深30メートルから150メートルの砂や泥のある海底に生息していて、九州西部や東シナ海で盛んに漁が行われています。甘鯛のえさは、カニやエビ、巻き貝、イカ、小魚などさまざまです。また、甘鯛の胃袋からは決まって砂や泥が出てきますが、これは海底の砂や泥の中に頭をつっこんでえさを食べる時、一緒に胃の中に入ったものです。このとき、同時にうろこがはがれてしまうこともありますが、「再生鱗(さいせいりん)」といって、はがれてもすぐに次のうろこが生えてくるようになっています。