12月も半ばになり、日に日に寒さが強まり、雪や氷に覆われる所が増えてきました。そしてオホーツク海も氷に閉ざされる季節がやってきます。
流氷が北海道にやってくるのは平年1月ですが、徐々に寒さが増していく11月になるとシベリア大陸の沿岸では海が凍って「氷」が生まれ始めます。
オホーツク海は、流氷に覆われる海としては最も低緯度にある海なのです。日本海や太平洋では凍らないのに、オホーツク海だけが凍るのはいくつか理由があります。
ひとつは、オホーツク海がカムチャッカ半島、千島列島、北海道などに囲まれた閉じた海であるということです。2つめは、アムール川の冷たい水がオホーツク海に大量に流れ込むことです。
真水が海に大量に流れ込むと、海の表面の塩分の濃度が小さくなり、また水の対流がこの薄い部分でしか起こらないので、海が凍りやすくなるのです。つまり、オホーツク海は非常に浅い海と考えることができます。
また3つめは冬にはオホーツク海に冷たいシベリアからの風が吹きつけて、海面を冷やすということが挙げられます。
お天気豆知識(2024年12月13日(金))
シベリア大陸の沿岸で生まれた「氷」は、1カ月半ほどかかって1月頃には北海道の沿岸まで流れ着きます。
これは北風や海流によって、オホーツク海を南へと漂ってやってきたもので、この頃には海は流氷で埋め尽くされてしまいます。この流氷は日々、主に風によって動き、時に早い時で時速2キロから3キロの速さになることもあるのです。
一方、海岸から見渡せる海上の範囲はせいぜい20キロ程度なので、流氷の動きが早い時には一晩で沿岸から姿を消してしまうこともあるのです。こうしたことからか、流れる氷、「流氷」と呼ばれているのでしょう。
アザラシやオオワシなどの動物たちは、流氷にのって北海道の沿岸までやってきて、子供を産んだり子育てをし、流氷とともに北の海に帰っていきます。流氷が運んでくる栄養が、知床の豊かな生態系を育んでいるのですね。