雨がやわらかく降ったり、激しく降ったりするのは雨粒の大きさに関係していますが、その大きさとは一体どのくらいなのでしょうか。
雨が降っていることを感じないくらいの霧雨の粒の大きさは直径0.2ミリほどです。雨粒の中でも小さなものは0.5ミリ前後で、「しとしと」と表現される並の大きさの雨粒ははだいたい2ミリ程度です。
そして雷雨などの「ザーザー」と音をたてて降る大粒の雨は5ミリほどになります。大きい雨粒は小さい雨粒と比べると、体積にして1000倍にもなっており、この大きさの違いは雲の中での上昇気流の強さに関係してきます。
雨粒は強い上昇気流に支えられて雲の中にとどまり、そこで雨粒同士がくっつきながら成長を続けます。雨粒が十分大きくなってある程度の重さを持つとき、また上昇気流が弱まったときに、雨粒は支えを失って落下を始めます。
上昇気流が強ければ、雨粒はどんどん大きくなってもいいような気がしますが、実際には地上で観測される大きさには限界があり、直径が7ミリ以上になることはありません。これは、雨粒が大きくなるにつれて、表面張力の影響が相対的に弱くなるなどして、落下途中に分裂してしまうからなのです。
お天気豆知識(2025年06月24日(火))


雨は雪などと違って速いスピードで落下するため、雨の一粒一粒をじっくりと観察することはできません。
とくに雨粒のかたちは肉眼で見ることができないため、身近でありながらあまり知られていません。
雨粒のかたちといえば、蛇口からしたたる瞬間のしずくのかたちを思い浮かべる方が多いでしょう。
実際に落下している雨粒のかたちは、小さいものでは表面張力によって球に近いかたちになっています。
そして大きい雨粒は、落下速度が速く空気の抵抗も大きいため、底面が平らになり、ちょうど「まんじゅう」のようなかたちになるのです。