雨の日の運転は、車が止まりにくいので、普段以上に注意が必要ですね。雨の日に安全に走るためにはタイヤの溝が非常に重要となります。
タイヤの溝は、タイヤと路面との間の水を効率良く排水する役割を持っていて、ぬれた路面の上でもタイヤと路面は接触することができます。もしもタイヤに溝がなかったら、タイヤと路面の間に水が残ってしまうので車のコントロールがききにくくなるのです。
このような理由でタイヤの溝はとても重要なものですが、タイヤの溝は、使えば使う程、路面との摩擦によってすり減って、浅くなってしまいます。そのため、タイヤの使用限度の基準は、残りの溝(残り溝)が1.6ミリとなったときと法律で決められています。この基準を超えたタイヤをそのまま使い続けるのは非常に危険なため、すぐにタイヤの交換が必要です。
タイヤの使用限度を知るためには、タイヤの溝にある、「スリップサイン」と呼ばれる部分を見て確認することができます。スリップサインは、タイヤの溝の底からゴムが1.6ミリ盛り上がって、溝に印が付いたように見える部分のことで、タイヤの側面についている三角のマークを延長したところにあります。
タイヤの残り溝にスリップサインが出ていないか、定期的に点検するようにしましょう。
お天気豆知識(2025年06月26日(木))


タイヤの溝がすり減った状態のまま走行を続けることは大変危険で、雨の日ならなおさらです。
地面がぬれている状態で時速80キロで走行している車が、ブレーキをかけてから止まるまでの距離(制動距離)は、新品(残り溝8ミリ程度)のタイヤでおよそ45メートルです。タイヤがすり減っても残り溝が4ミリならば、その制動距離は新品のものとあまり変わりません。
残り溝2ミリのタイヤになると、新品よりも少し制動距離が長くなりおよそ50メートル、残り溝1.6ミリのタイヤを使用した場合の制動距離は、55メートルを超える程度です。タイヤの溝が新品の状態から残り溝の深さが1.6ミリまでのタイヤは、溝が減ることによって多少制動距離がのびますが、大きな違いはありません。
ところが、使用限度である残り溝1.6ミリを下回るタイヤ、つまりスリップサインの出ているタイヤでは、急激に制動距離が長くなる傾向があり、溝なしタイヤの制動距離ではおよそ80メートルです。新品のタイヤや残り溝4ミリのタイヤと比べて制動距離はおよそ1.7倍になります。
このように、タイヤの残り溝は、1.6ミリより少なくなると、ブレーキをかけてから止まるまでの距離に大きく影響を及ぼすのです。タイヤの残り溝は定期的に点検し、スリップサインが出たらすぐにタイヤを交換してください。