ハザードマップをご存知ですか。ハザードマップとは、過去の災害記録や現地調査、シミュレーションなどを基に、災害がおきやすい危険な場所や避難場所等を地図上に表したものです。災害予測図、危険地域予測図、防災マップと呼ばれることもあります。
実際2000年の有珠山噴火の時、事前に住民に配られていたハザードマップを基に、迅速な避難が行われ、防災上非常に有効であることが示されました。ハザードマップには様々な種類があり、火山、地震、津波、洪水、落石・地すべり、雪崩、高潮など地域によって想定される災害に対して作られています。
これまでハザードマップの存在があまり知られてなかったのは、ハザードマップを公表すると、地価が下がったり、住民の不安をあおったり、観光に打撃を与えると考えられてきたためです。
しかし、現在ではハザードマップがあることで災害時に住民自身が積極的に動くことができ、観光客に対しても緊急時の対応をきちんと説明できるため、情報を率先して公開する考え方に変わってきました。そのためには正確な情報が必要です。どこで、どのような災害が起こりうるのか、また、災害が起こったときの対処法などを事前に知っておくことで、個人の防災意識が高まり災害時の被害を軽減することができるのです。
ハザードマップを手に入れるには、各自治体に問い合わせるのがよいでしょう。また、最近ではインターネットで公開されている地域もあるので簡単に手に入れることができます。
自分の住む町、学校、勤務先などが、どんな災害に弱いのか確認してみてはいかがでしょうか。
お天気豆知識(2025年06月23日(月))


近年、河川の堤防の整備に伴い、洪水被害が減少したせいか、私たちの洪水に対する意識は低下していると言われています。しかし、堤防が整備された河川でも、想定以上の大雨が降れば、危険水位を超えて水害が起こる恐れがあるのです。
万が一、洪水が起きたとき、私たちはどうすればよいでしょうか。そのようなときに参考になるのが洪水ハザードマップです。
洪水ハザードマップは、洪水による浸水危険区域や、緊急連絡先、避難場所、避難経路、災害時の心得などを具体的に地図上で表したものです。災害時の対応に必要な情報を住民に事前に知らせれば、洪水に対する危険性を認識することができ、事前に準備することで被害を最小限にとどめることができるのです。
1998年(平成10年)8月の福島県郡山市を中心とした豪雨では、あらかじめ洪水ハザードマップを見ていた人と見ていなかった人で、避難行動を開始する時間に約1時間の差がみられたという結果もあります。
日ごろからハザードマップの内容を理解することによって、緊急時の準備と行動を知っておくことができます。避難するときになって慌てていたのでは、大切な命が失われることになるかもしれません。まずはハザードマップを手に入れて危険性を確認し、家族や周りの人と話し合ってみてはいかがでしょう。