冬になると、北国などでは軒先につららが垂れ下がっている光景をよく目にします。
これは屋根の上などに積もった雪がとけて水となり、再び凍った時などにできるもので、家の軒先などによく見ることができます。
北国では冬の暖房は欠かせないものですが、暖められた屋内の空気が屋根に積もった雪をとかし、とけた水は屋根をつたって軒先へと流れていきます。軒先まで流れた水は、外気の冷たい空気にふれて再び凍りつき、つららとなるのです。
そしてどんどん成長すると人の腕より太くなり、2メートルを超す大きなものになることもあります。
つららはその重みで落下すると、人に当たったり物に当たったりして非常に危険なため、北国の雪下ろしと同様に、つららを落とすことも冬の仕事のひとつなのです。
お天気豆知識(2024年12月12日(木))


つららを落とす仕事は重労働であり、危険を伴います。そこで最近ではつららのできにくい家づくりも行われています。
つららのできる最大の原因は室内の熱が屋根に伝わって雪がとけてしまうためで、つららを防ぐには断熱材を加えたり、屋根裏をつくったりして、熱を伝わりにくくすることが重要です。
反対に軒先で雪を融かして雨どいに流す方法もあります。また、屋根の形を工夫することによって、つららをできにくくすることもできます。例えば、屋根に段差をつけることで、とけた水をせきとめて、軒先に流れていかないようにします。
そのほか、屋根の中心がへこんだM型屋根と呼ばれる屋根があり、これは、屋根の中心に雪を集めることで、とけた水を集めて排水することができます。この屋根は雪下ろしをする手間も省けるので、無落雪屋根ともいわれており、土地の狭い場所や高齢者の家庭にも向いたものといえるでしょう。
これらのユニークな形の屋根は厳しい冬を快適に過ごすために生み出されたものなのです。