夏の稲
本格的な夏を目の前に、現在田んぼではすくすくと稲が生長しています。すごい速さでみるみるうちに生長していく夏の稲の様子はたくましいものですね。稲には、発芽してから実りの時期をむかえるまでにいくつかの生長段階があります。田植えを行った後、北日本では5月ごろ、東日本、西日本では6月ごろから「分げつ期(ぶんげつき)」と呼ばれる時期となります。これは、茎の根元から執と新しい茎がどんどん出てくる時期のことです。田植え直後は根がしっかりと張っておらず頼りなかった苗も、田植え後1か月もすると、葉が茂って水面が隠れるくらいにまで生長します。例えば、5月初めに田植えを行った時に数本だった茎は、6月下旬になると15本から20本にまで枝分かれするのです。その後、北日本では7月ごろ、東日本、西日本では8月ごろの穂が出るまでの約20日を「穂ばらみ期」といいます。これは、茎の中で穂の赤ちゃんがだんだん大きくなる時期のことで、この時期は夏の太陽をいっぱい浴びて光合成を行い、さらに草の背丈は大きくなります。夏の稲は、秋の実りの季節に向けて、ますます青々と生長していくのです。