傘の部分の名称
6月といえば雨の月です。雨の季節に活躍するものといえば、傘でしょう。傘の歴史をひもとくと、ヨーロッパでは「日傘」から始まった一方、降水量の多い日本では、箕(みの)や菅笠(すげがさ)に変わる「雨傘」として江戸時代から普及し始めました。今では年間1億本以上もの傘が消費されていて、私たち日本人にとって傘はとても身近な存在ですが、傘のそれぞれの部分の名称については意外と知らないものです。例えば、傘をさした時に上につきだした部分は「石突き(いしづき)」といいます。これは傘を閉じた状態の時に地面の石を突くことからそう呼ばれます。石突きを取り囲む布地の部分は、菊の花の形をしているため「菊座(きくざ)」といいます。また、傘の骨の先にある部分は「露先(つゆさき)」といい、これは傘をさした時に雨粒が露となってこの先端部分から落ちることからついた名称です。閉じた傘を広げるときに押す部分は「下(した)はじき」です。下はじきの由来は、指で押したときにはじくように戻ることからこう呼ばれるようになりました。なにげなく使っている傘にもこのような名前がそれぞれにつけられているのです。