秋も深まり、日本の各地では渡り鳥が到来するシーズンになりました。秋にやってくる代表的な渡り鳥に「ガン」がいます。
ガンは、例年、9月頃シベリアから中継地を経て、10月頃日本に渡ってきます。そして、翌年の2月頃繁殖地であるシベリアに再び飛び立ちます。
ガンが日本に渡ってくるころの北風を「雁渡し(かりわたし)」と言い、これは秋の季語にもなっています。
雁渡しはもともと伊豆や伊勢地方の漁師の間で使われていた言葉で、「雁」とは「ガン」のことを指しています。
雁渡しの季節を過ぎると徐々に冬を感じることでしょう。
お天気豆知識(2024年10月19日(土))
秋から冬にかけて日本にやってくる渡り鳥は、はるか大陸から飛んできます。
その中で、ガンの仲間であるマガンは、チュコト地方南部などシベリア東部から渡ってくると言われています。
9月くらいにシベリアを飛び立ったマガンはカムチャツカ半島を経て、ほぼ直線的に日本へ飛んできます。その距離は数千キロにも達するたいへん長い旅です。
日本での越冬地としては、宮城県の伊豆沼(いずぬま)、新潟県新潟市の佐潟(さかた)、石川県加賀市の片野鴨池(かたのかもいけ)が有名で、特に伊豆沼は近年6万羽にもおよぶマガンが飛来し、国内最大のマガンの越冬地になっています。
ガンは、しばらく日本で羽を休めたあと、翌年2月には、再びシベリアに向けて飛び立ち始めます。