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お天気豆知識(2024年10月16日(水))

雲の四季
雲の四季

季節の移り変わりとともに、空に浮かぶ雲も入れかわっていきます。
俳人正岡子規は、雑誌「ホトトギス」の中でこの様子を「春雲はわたの如く、夏雲は岩の如く、秋雲は砂の如く、冬雲は鉛の如く、・・・」と表現しています。
春は太陽の光で大地が熱せられ、空気も暖められて上昇し、わたぐもができます。夏は、春以上に空気が暖まってわた雲がさらに発達し、入道雲や雷雲に代表されるような、もくもくとした巨大な雲が特徴的です。
秋になると、うろこ雲やいわし雲、まだら雲などと呼ばれる雲がしばしば見られ、その姿は小石を敷き詰めたようだったり、風に吹かれた砂丘の表面にできる風紋のようにも見えます。
そして冬、特に日本海側で時雨や雪を降らせるような低い雲に覆われたとき、空はまさに鉛のような色になります。
正岡子規の自然を捉える目には優れたものがあったのですね。

秋の雲
秋の雲

正岡子規は、秋の雲を「砂の如し」と表現しましたが、それは、うろこ雲などとよばれる、巻積雲(けんせきうん)のことでしょう。
巻積雲は氷の結晶からできている雲で、層が薄いため影もありません。雲が波打って見えたり、魚の群れや小石を並べたようにも見え、特に夕焼け空に横から照らされた姿は美しく、人目をひきます。
通常5000メートル以上の高い空に現れて、ときには雲に青や緑、赤などの色のしまが見える「彩雲(さいうん)」とよばれる現象が見られることもあります。
巻積雲は単独で現れることは少なく、はけで描いたようなすじ雲や薄くて白いベール状のうす雲、さらにひつじ雲などとも一緒に現れます。
空はさまざまな姿の雲が織りなす芸術的な眺めになります。秋の空は、いつまで見ていても見飽きることはないでしょう。

過去のお天気豆知識

天気と体調・12025年05月15日(木)
紫外線と服・12025年05月14日(水)
星の明るさ・12025年05月13日(火)
森林浴(緑色の効果)2025年05月12日(月)
靴の中は高温多湿2025年05月11日(日)
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各地の天気

お天気豆知識

天気と体調・1

天気と体調・1

雨や曇りの日は気分がすっきりせず、気持ちが落ち込んだりするという経験は誰しもあることでしょう。昔から、天気は私達の精神的な部分に影響を与えるものであると同時に、生体機能にも作用することがあると考えられてきました。天気が崩れると関節炎やリューマチなどの症状を訴える人も少なくないことや、「頭痛がすると天気が変わる」とか「体がだるいと天気がかわる」という天気のことわざがあることからも、天気と体調には関係があると推察することができるでしょう。現代では「生気象学(せいきしょうがく)」とよばれる大気の環境が生体に及ぼす影響を研究する学問も登場し、その関係が徐々に解明されつつあります。最近のある研究によると、天気の変化が頭痛を引き起こす原因は気温と気圧の低下だといいます。気温の低下が頭痛を引き起こす原理は冷たいものを食べたときに頭が痛むのと同じで、体が急に冷えることで血管の壁が収縮し、それによって痛みを感じ取る箇所が刺激されるためだと考えられるのです。また、気圧の低下が頭痛を引き起こすのは、飛行機や登山などによって空気の薄い高い場所へ行ったときに頭が痛むことと同じメカニズムだといえます。このほかのさまざまな病気や体調の変化についても、天気がどのように関わっているのかの研究が進められています。

紫外線と服・1

紫外線と服・1

5月も半ばになり、汗ばむことも多くなってきました。5月は1年の中で紫外線の量が最も多いため、紫外線には油断できない時期なのです。紫外線対策にはさまざまな方法がありますが、真っ先に思いつくのは、長袖の服を着るなどして肌の露出を少なくすることでしょう。ただ、衣服で肌を覆っているからといって紫外線を完全に遮断できるわけではありません。紫外線は衣服を通過して、肌に届くこともあるのです。紫外線が衣服を通り抜ける割合は、その衣服の素材や色によって違います。一般に、麻や絹、レーヨンは紫外線を通しやすい素材といわれており、ポリエステルやウールの衣服はあまり通しません。また、白やピンク、水色などの淡い色ほど紫外線を通し、黒や赤、紫などの濃い色は紫外線を通しにくいという特徴があります。その中でも最も紫外線を通しやすい色は白で、反対に最も通しにくい色は黒です。これら衣服の素材と色から、紫外線から肌を守る衣服を考えると、ポリエステルやウールでできた黒色の衣服が理想的といえるでしょう。ただ、これはあくまでも紫外線だけをみた着こなしです。ポリエステルやウールは汗をかくと不快感が増し、黒色は熱を吸収するので夏場はいっそう暑く感じるかもしれません。涼しさを取るか、紫外線を取るか、その時の状況に応じて着こなしてみてください。

星の明るさ・1

星の明るさ・1

夜空にはたくさんの星がありますが、明るさは、その星ごとに違います。一目で見つけられるくらい明るく輝く星もあれば、肉眼では見えない暗い星もあります。こうした星の明るさは等級によって区別されています。1等星とか2等星とかいう表現を聞きますが、これは星の明るさを表しているのです。現在、私たちが使っている等級は、19世紀になって基準が正確に決められたものです。5等級違うと、明るさがちょうど100倍違うように定義されていて、1等星は6等星のちょうど100倍明るいことになります。このように、夜空の星は明るさによって等級が決められているのですが、あくまで地球から見たときの星の明るさを表しているに過ぎません。この等級のことを、正式には「見かけの等級」と呼んでいます。見かけの等級は、星自身の明るさの他に、地球と星の間の距離も関係していて、同じ明るさの星でも、近くにあれば明るく見え、遠くにあれば暗く見えます。明るさは距離の2乗に反比例するので、同じ明るさの星でも距離が2倍違うと、明るさは4分の1になってしまうのです。そこで、星そのものの明るさを比べるために星を地球から一定の距離に持ってきて、地球から見た明るさの違いを表す方法が考えられています。天文学では、この一定の距離を32.6光年として、この距離だけ離れたときの地球から見た明るさを「絶対等級」と呼んでいます。