花火が上がると、日常の様々な出来事を少しの間だけ忘れて、思わず見入ってしまう人は多いのではないでしょうか。花火といえば日本の伝統芸術の一つで、世界的にも評価が高いものです。
日本の花火の特徴は、第一に、同心円を描いて四方八方に広がりどこから見ても丸く見えることです。日本の花火は、花火玉自体が球状にできています。また内部には割火薬が中央に詰められ、星を四方八方に均等に飛ばすように作られています。
第二に、光の花びらとなる一つ一つの「星」が二色三色と変色することです。「星」の内部は、別々の色を出す火薬を幾層にも重ねて作られているので、途中で色が変わり、単色の火薬しか使わない外国の花火と比べ、一つの花火でも華やかさを演出します。
そして第三に、一玉ずつ丹精に打ち上げることです。最近では、海外の影響を受けてスターマインが人気を呼ぶようになりましたが、日本の古来からのやり方で、今もなお一玉観賞の醍醐味は失われていません。日本の花火は打ち上げられてから上空で開くまでの時間的、空間的隙間をうまく考えて作られているため、趣を感じることができます。
日本の花火が精巧で華麗だと言われるにはこのような特徴があるからなのです。
お天気豆知識(2025年07月12日(土))


花火といえば、日本独自のものだと思われがちですが、海外にも様々な花火があり、それぞれ独自の発展をとげ今に至ります。日本の花火との大きな違いは、形とその演出の仕方にあります。
まずアメリカの花火は、映画のアクションシーンやコンサートなど、イベントの中で盛んに盛り込まれています。この分野ではアメリカは世界の中でも、品質の高い製品を作り出しています。また、7月4日の独立記念日には、全米各地で花火が打ち上げられ、その日は「花火の日」と呼ばれる程です。
ヨーロッパの花火も色とりどりの花火が一斉に打ち上げられ、全体として華やかな空間を作り出しています。しかし、花火そのものを観賞するのではなく、ライトアップや音楽も重ねた演出をし、総合的な演出の一つの方法として使われています。
最近では日本のテーマパークなどでもこのような海外の花火が取り入れられています。