エルニーニョ現象とは、太平洋東部の赤道付近において海面の温度がいつもより高くなる現象のことをいい、数年に一度発生して半年から1年半ほどの期間続きます。エルニーニョ現象は、世界各地の異常気象と関係があると考えられているので、世界的な関心事になっているのです。
そもそも「エルニーニョ」とは、スペイン語で「男の子」特に「幼子イエス・キリスト」という意味があります。
これは、クリスマスごろに南アメリカのペルー沖へ暖かい海水が南下してくることや、この流れに乗ってふだん見かけない珍しい魚が現れたり、陸地で季節はずれの多量の雨が降って、収穫期を迎えているバナナやココナッツにとっての恵みの雨となることから、ペルーの人達が名付けたものです。
昔、エルニーニョ現象とは南アメリカの太平洋側に位置する、エクアドルやペルー近海に限られた現象だと考えられていました。しかし最近の活発な海洋観測や広範囲を観測できる人工衛星の利用によって、太平洋の赤道海域全体におよぶ異常な海水温の広がりの一部にすぎないことがわかったのです。
エルニーニョ現象の研究は現在も活発に進められています。しかし、この現象の規模や周期がたいへん大きなスケールであるため、何がきっかけとなって発生するかなど、まだまだ解明されていないことも数多く残されています。
お天気豆知識(2024年10月14日(月))
エルニーニョ現象は、赤道近くの太平洋の海面水温が広範囲で平年に比べて高い状態が、1年ほど続く現象のことです。
ふつう、赤道付近の太平洋では強い東風が吹いており、インドネシア側の西側の海域に雲が発達します。しかし、なんらかの原因でこの東風が弱まり、雲のできる場所が東へずれ、大気の大きな循環に変化が生じます。
この大気の流れの変化は海の中の流れにも変化をきたします。通常、ペルー沖の海域では冷たい栄養豊富な水が湧き、好漁場となっています。しかし東風が弱まると、強い日差しで暖められた海水が移動できず、冷たい海水が海面近くまで上がってこなくなります。
地球の一部で起こった海水温の変化が、世界中に影響を及ぼします。エルニーニョ現象が続くと、日本の冬は暖かくなりやすいといわれています。
その理由は、太平洋で海面水温の高い場所が西へ移ることから、巡り巡って日本の上空を吹く偏西風と呼ばれる西風が強くなり、寒気が南下してくるのを阻止するためだと考えられています。