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お天気豆知識(2025年06月14日(土))

南風(はえ)
南風(はえ)

夏になると日本列島は太平洋高気圧に覆われる日が続き、この高気圧のふちを流れる南風が吹きやすくなります。このような南風のことを「南風(はえ)」と呼ぶことがあります。
南風(はえ)は西日本を中心に広い範囲でおだやかで船乗りに喜ばれる風として、特に漁師たちに使われてきた言葉です。
また、真南から吹く風のことを「正南風(まはえ)」といい、南西の風を「南風西(はえにし)」ともいいます。
南風(はえ)は地名にも残っていて沖縄県南風原町(はえばるちょう)、長崎県佐世保市には白南風町(しらはえちょう)や南風崎町(はえのさきちょう)といった所があります。
また、フグで有名な下関には南風泊(はえどまり)漁港があり、南風(はえ)を避けるために停泊したことから名付けられたと伝えられています。

梅雨のころの南風(はえ)
梅雨のころの南風(はえ)

夏の季節に吹く風「南風(はえ)」は、梅雨の時期にはその特徴の違いによって分けることができます。
梅雨入りしたころの空は暗くどんよりとしていて、ぐずついた天気が続きます。
そのような天気を黒という色であらわし、黒南風(くろはえ)と呼びます。そして、梅雨の半ばになり荒れた天気のときの南風を荒南風(あらはえ)といいます。その後、梅雨前線が北上し梅雨が明けると、日本列島は夏本番の天気になります。
空は明るく晴れ渡り、高気圧からの南風が吹いてきます。この風を黒南風に対して白南風(しろはえ)と呼びます。
このように、昔の人は梅雨のころの天気の特徴とあわせて、「南風(はえ)」を黒南風、荒南風、白南風と表現したのです。

過去のお天気豆知識

蚊帳(かや)12025年07月14日(月)
うちわの歴史2025年07月13日(日)
日本の花火2025年07月12日(土)
花火の構造2025年07月11日(金)
花火の歴史2025年07月10日(木)
納豆2025年07月09日(水)

各地の天気

お天気豆知識

蚊帳(かや)1

蚊帳(かや)1

夏は気温の高い日が多く、暑さにうんざりしてしまっている方も多いことでしょう。西日本、東日本では熱帯夜とよばれるほどの暑い夜がこれからしばらく続きますが、エアコンが普及した現代では熱帯夜でも寝苦しく感じることは少ないかもしれません。では、エアコンの無かった時代はどのように暑い夜を過ごしてきたのでしょうか。昔は蚊帳(かや)が夏の夜の必需品でした。蚊帳とは、麻などで編まれた寝具の覆いで、テントのように張って使います。虫除けと湿気よけの効果があるため、この中に入って寝れば、部屋の戸を開けておいても虫に刺されたり蚊の羽音に悩まされることはありません。外から入るやさしい風を感じながら、比較的涼しく眠ることができるのです。

うちわの歴史

うちわの歴史

これから夏本番を迎えますが、暑い日に涼をとる道具と言ったら、やはりうちわではないでしょうか。涼むための道具としておなじみのうちわの歴史をたどると、日本へは奈良時代に中国から伝わりました。当時は宮廷や貴族の限られた階級でのみ使われており、涼をとるだけではなく、日差しを遮ったり、高貴な身分の人の顔を隠したり、また飾り用として用いられていました。その後、戦国時代には武将が兵士を叱咤(しった)激励するために、皮や鉄で作られた「軍配うちわ」が使われるようになりました。今も相撲の行司が土俵上で用いている軍配はここからきています。江戸時代になってからは祭礼などに広く使われるようになり、夏祭りや盆踊りを通じて庶民の間で普及していきました。また台所や風呂などで火起こしに使う「渋うちわ(しぶうちわ)」、町火消しが火の粉をはらうために使う「大うちわ」なども江戸時代に登場したものです。このように様々な場面で使われてきたうちわは、現在になっても涼むための道具として、納涼シーズンに広く使われているのです。

日本の花火

日本の花火

花火が上がると、日常の様々な出来事を少しの間だけ忘れて、思わず見入ってしまう人は多いのではないでしょうか。花火といえば日本の伝統芸術の一つで、世界的にも評価が高いものです。日本の花火の特徴は、第一に、同心円を描いて四方八方に広がりどこから見ても丸く見えることです。日本の花火は、花火玉自体が球状にできています。また内部には割火薬が中央に詰められ、星を四方八方に均等に飛ばすように作られています。第二に、光の花びらとなる一つ一つの「星」が二色三色と変色することです。「星」の内部は、別々の色を出す火薬を幾層にも重ねて作られているので、途中で色が変わり、単色の火薬しか使わない外国の花火と比べ、一つの花火でも華やかさを演出します。そして第三に、一玉ずつ丹精に打ち上げることです。最近では、海外の影響を受けてスターマインが人気を呼ぶようになりましたが、日本の古来からのやり方で、今もなお一玉観賞の醍醐味は失われていません。日本の花火は打ち上げられてから上空で開くまでの時間的、空間的隙間をうまく考えて作られているため、趣を感じることができます。日本の花火が精巧で華麗だと言われるにはこのような特徴があるからなのです。