山道などカーブの多い道路をドライブしている時に、車に酔ってしまうことがあります。車に酔うと気分が悪くなり、おう吐などの症状が引き起こされますが、そもそも車酔いには、耳の奥にある「三半規管(さんはんきかん)」という平衡感覚をつかさどる器官が関係しています。
通常は、三半規管が目から入る視覚的な情報と体の動きのずれを、調整しているため、私たちは無意識に姿勢を保つことができます。しかし、様々な方向に振動する車の中では、三半規管の機能が上手く働かないことがあり、その結果、「酔い」の症状がでることがあるのです。
その要因としては、周りの環境によって引き起こされる外的な要因や、乗車する人の心理的な要因、そして身体的要因が挙げられます。
外的要因の例としては、カーブの多い道や車のにおいがあります。カーブの多い道は左右の振動が大きいため、三半規管が機能を保ちにくく、車の中のガソリンなどの独特のにおいは、酔いの症状を引き起こすことがあります。
また、心理的要因としては、思いこみや心配事があります。心理的に不安な状態にいるときや、「自分は乗り物に弱い」という思いこみを持っている場合、車に酔いやすくなります。そして、身体的な要因には寝不足や空腹などがあり、このような状態にある人も酔いやすくなります。
このように、車酔いには、様々なものが影響しているのです。
お天気豆知識(2025年08月03日(日))


ドライブ中に車に酔ってしまうと、せっかくの楽しい雰囲気も台なしになってしまいます。
車酔いの初期症状として生あくびや胃が張った感じなどがあり、そして冷や汗や顔面そう白などがあらわれます。このような症状が出たら車から降り、深呼吸をして気分転換をしてください。
普段から車酔いしやすい人や、長距離の車での移動に慣れていない人は、車酔いを未然に防ぐために次のことに気をつけるとよいでしょう。まず、揺れの少ない席に座るようにしましょう。車体の中心に近いほど振動は少ないので、5人乗りの車の場合は助手席、バスなどは中央部の席に座るといいでしょう。
そして、遠くの景色を眺めるようにしてください。車内で本やテレビなど近いものを見たり、どんどん変わる近くの景色ばかりを見ていると、揺れを敏感に感じやすくなります。しかし、遠くの景色を眺めれば、このような揺れをあまり感じなくなるため、体は平衡感覚を保つことができるのです。
また、車内の換気をするようにしましょう。車内にタバコやガソリン、香水などのにおいがこもっていると酔いやすくなるので、高原などの空気のよい所では、窓を開けて空気を入れ換えることで気にならなくなります。
さらに、車酔いは運転する人の心遣いでも防ぐことができます。運転手は急ブレーキや急発進をできるだけ避け、安全でスムーズな運転を心がけると、同乗者への衝撃が少なくなり、また不安も排除できます。
このような車酔いに対する対処方法を実行することで、快適なドライブを楽しむことができるでしょう。