6月に入り、春に花を咲かせた果樹が続々と実を結びはじめています。現在、旬を迎えている果物にアンズがあります。アンズは4月ごろにピンク色の花が咲き、6月から7月にかけてだいだい色の実をつけます。
アンズは中国が原産地で、紀元前3000年から紀元前2000年ごろより栽培されている歴史の大変古い果樹です。日本へは弥生時代以降渡ってきて、「唐桃(からもも)」と呼ばれていました。
アンズはバラ科サクラ属に属し、モモ、スモモ、ウメ、サクランボ、アーモンドなどと同じ仲間で、これらはいずれも果肉の中心部にかたい核(種)をもつ特徴があります。アンズの栄養素で特に優れた点は、ベータカロテンが他の果物に比べ豊富なことです。ベータカロテンは老化防止や鳥目(とりめ)などに効果があります。
日本では東北や甲信越地方が主な産地となっています。実際にアンズを食べてみたいというかたは、日本一のアンズの里である長野県千曲(ちくま)市を訪れてみてはいかがでしょうか。旬を迎えたアンズを味わうことができます。
お天気豆知識(2025年06月10日(火))


これから7月にかけてアンズが旬を迎えます。
「アンズ」という言葉はよく耳にしますが、実際の果実を目にしたり、口にした人は意外と少ないのではないでしょうか。これは、日本のアンズの果肉は酸味が強かったり日持ちがしないため、生のアンズは多く出回っておらず、加工されることが多いのが理由です。
そこで果肉の利用法をみてみると、缶詰やジャム、干しアンズなどがあります。干しアンズの場合、カルシウムや鉄分などのミネラルが生より増え、疲労回復の効果があります。
また、果物は食べるときに種を捨てることが多いのですが、アンズは種も利用できます。乾燥させたアンズの種は杏仁(きょうにん)と呼ばれて、せき止めやぜんそく治療のための漢方薬として古くから利用されています。ほかにも、中国料理のデザートで有名な杏仁豆腐は、文字通りアンズの種からできています。
アンズは果肉だけではなく種の利用価値も高く、果実丸ごと利用できる果物なのです。