「お茶箱」という箱があるのをご存じでしょうか。
しにせのお茶屋さんがお茶箱を配る様子は、仙台の初売りで見られ、新年の風物詩となっています。お茶箱は、以前産地から地方の問屋や小売店にお茶を出荷する際に使われ、そのままお茶の保存に使われていました。
お茶の品質を保つには、温度、湿度、酸素や光が関係します。そのためお茶は、湿気や酸素による酸化から守るために気密性の高い入れ物に入れ、涼しいところにおくことが必要です。
その点、お茶箱の外側は木材、内側はトタンやブリキでできています。外側の木材は、断熱効果があるスギやヒノキが使われることが多く、また、内側のトタンやブリキは空気を遮断して箱の内部の温度を一定に保ち、湿気を防ぐはたらきがあります。
このように、お茶箱の中は温度や湿度の変化が小さいため、お茶の品質を保つことができる非常に優れた入れ物なのです。
お天気豆知識(2025年06月08日(日))


お茶箱はお茶の保存に使われるため、中身のお茶がなくなれば、本来の役目を終えます。しかし、湿気や温度変化に強い優れた入れ物であるため、そのまま捨てずに利用したいものです。
そこで湿気や湿度変化に影響されやすい物の保管用に、お茶箱を利用してみてはいかがでしょうか。例えば、お茶箱の中は気密性が高いので衣類を害虫から守ってくれるため、お茶箱は衣装ケースとして利用できます。
また、湿気を嫌うカメラを入れてもよいでしょう。そして、米や食品をいれるのもおすすめです。お茶箱は、湿気から米を守り、また冷暗な状態を保つことができます。
このように、使われなくなったお茶箱は物の保管に最適です。家の押し入れや物置きなどにお茶箱があったら、是非再利用してみてはいかがでしょうか。