北日本、東日本を中心に紅葉が始まっています。赤や黄、オレンジ、緑色の葉が織りなす錦模様は、私たちの目を堪能させてくれます。
その中で赤く色づく樹木の代表といえば、カエデ類です。中でもイロハカエデは鮮やかな赤に染まります。全国の山地で見られるナナカマドや、背が低くて庭木としても人気のあるドウダンツツジも赤く色づきます。
一方、黄色く色づく代表的な樹木はイチョウです。街路樹として全国で見ることができ、色づきがピークになると輝くような黄色で辺りが明るく感じられるほどです。
また、針葉樹のカラマツやハート形の葉を持つカツラなども黄色く鮮やかに色づく樹木です。
紅葉狩りへ出かけたときは、彩りだけでなく木の種類にも注目してみてはいかがでしょうか。
お天気豆知識(2024年10月18日(金))
平安時代には、「襲の色目(かさねのいろめ)」とよばれる季節に合わせた着衣の色の取り合わせがありました。
着物の裏表や重ねて着る際の色の組み合わせ、絹の着物を着たときに裏地が透けて見える場合などを考慮して決められたものです。
それぞれの季節を代表する自然の色を反映したものが多く、当時、紅葉狩りが盛んだったことから、紅葉の色をもとにした配色が生まれました。
例えば、青葉と薄く色づきはじめた黄色の葉が混ざり合う山の様子を表現した、「青紅葉(あおもみじ)」という配色があります。これは表が現在の緑系統の色と考えられる当時の「青」で、裏が黄色みがかった茶色の「朽葉色(くちはいろ)」という組み合わせです。
また、赤く色づくカエデの紅葉からは、「紅葉(もみじ)」という色の組み合わせが作られました。表はベニバナから採れる「紅(くれない)」で、裏は蘇芳(すおう)とよばれるマメ科の植物から採れる茶色に近い赤の「蘇芳色」です。
そして、表が「黄」、裏が「蘇芳色」の「黄紅葉(きもみじ)」という色の取り合わせもあります。
平安時代の配色を参考に服を選んでみるのもいいかもしれませんね。