秋はさわやかな日が多く、行楽にも快適な季節です。
10月になると、標高の高い所から次第に紅葉が見頃となり、紅葉狩りや山菜取りに出かける方が多くなります。
この時期は、本格的な登山ではなくても、山へ行く服装は十分に注意して選ばなくてはなりません。
標高が100メートル高くなると、気温はおよそ0.6度下がります。ふもとの気温が20度の場合、1000メートル登れば14度ということになります。
雨が降ったり風に当たればさらに体感温度は低くなります。3000メートル級の山では、いつ雪が降ってもおかしくない時期です。ふもとはさわやかな秋でも山はもう冬支度を始めています。
これからのおでかけは目的地にあわせて、防寒着を用意するようにしましょう。
お天気豆知識(2024年10月09日(水))


秋の天気は変わりやすく、3、4日ごとに低気圧が通過して雨が降ることが多くなります。シーズンを過ぎたとはいえ、台風が襲来することもあります。
低気圧や台風が近づいている時は、もちろん山へ入ることは避けなければいけませんが、秋山では台風や低気圧が過ぎ去ったあとも荒れた天気が長引きやすいものです。
この時期、日本の東の海上へ抜けた低気圧や台風の後ろからは大陸の冷たい空気が入ってきます。天気図には冬型の気圧配置が現れるようになり、日本海側はしぐれたり、北日本や東日本の高い山ではふぶくこともあります。
1989年10月8日には、立山で遭難事故がありました。紅葉狩りと温泉を楽しみに出かけた中高年パーティーが、台風が去ったあとに入ってきた寒気のために10人のうち8人まで凍死したというものです。
また、2006年10月7日にも、白馬や奥穂高で吹雪による遭難事故がありました。この日は、南海上から北上してきた台風や熱帯低気圧が温帯低気圧と1つにまとまり、猛烈に発達しました。この低気圧に引き込まれるように強い寒気が流れ込み吹雪が発生したのです。
穏やかなふもとに比べ、秋山には思わぬ怖さが潜んでいるので、行く時は十分に注意しましょう。