年末年始に、お正月休みを利用して海外へ出かける方もいらっしゃるのではないでしょうか。
みなさんは、飛行機が成田空港の南北にのびた滑走路を飛び立つときや着陸するとき、風の向きが北風か南風かで、飛行機の進行方向も逆になっていることにお気づきですか。
北風が吹いているとき、飛行機は南から北に向かって離着陸を行い、南風のときは北から南に向かって離着陸をしています。
つまり、滑走路がどの方向を向いていても飛行機は風に向かって離着陸を行っているのです。これは、追い風よりも向かい風の方がより短い距離で離陸や着陸が行えるためです。
離陸しようとする飛行機は、向かい風が強いほど短い距離で浮き上がることができ、着陸した飛行機も短い距離で十分な減速ができるのです。
北風が多い冬の季節は、成田空港では北向きに離着陸することが多くなるのではないでしょうか。
お天気豆知識(2024年12月25日(水))
飛行機は、できるだけ風が正面から当たるような方向を選んで滑走路に着陸しています。その理由は、追い風で着陸した場合、止まり切れずに滑走路をはみ出してしまうおそれがあるからです。
たとえば、風がないときには時速225キロくらいの速さで着地する飛行機でも、追い風10メートル(時速36キロ)で着陸してしまうと、着地したときの速さは時速260キロほどという高速になります。
そのためブレーキをかけても止まるまでに時間を要してしまい、滑走路の端で止まり切れずにはみだしてしまう可能性があります。
一方、向かい風が10メートルの場合は、飛行機が着地したときの速さは時速190キロほどと比較的低速で、短い距離で十分な減速ができるため滑走路をはみ出してしまう心配もありません。
飛行機は、空港の風向きを考慮することでより安全な着陸ができるのです。