5月21日は二十四節気の一つ、小満(しょうまん)です。
このころは、陽気に恵まれて山野の植物は実を結び、田に苗を植える準備が始まるなど、万物が「ほぼ満足する時期」とされています。例年では、桜の満開前線はすでに北海道の東の端に達し、南九州からアジサイの開花が始まります。
日本の梅雨の季節は既に始まっていて、沖縄地方は梅雨入りの時期です。特に沖縄地方では梅雨のことを、「小満芒種(スーマンボースー)」と呼んでいます。
沖縄の梅雨はおよそ立夏から夏至のころまでですが、とくにこの小満から芒種(ぼうしゅ)にかけて雲の多い本格的な梅雨を迎えるため、こう呼ばれているのです。
これからは風薫る新緑の季節から雨の多い季節へと移っていきます。雨具の用意や車のワイパーの点権花の手入れや除湿器の用意など、梅雨を迎えるための準備は早めに済ませておきましょう。
お天気豆知識(2025年05月20日(火))


この時期に美しい花を咲かせるものに、シャクヤクとボタンがあります。見ごろの時期はボタンが5月上旬から中旬、シャクヤクが5月中旬から下旬です。
シャクヤクとボタンはどちらも同じボタン科の仲間ですが、シャクヤクは草で、そのまっすぐ伸びた茎としゃきっとして立つ美しい花の姿に特徴があり、中国では花相(かしょう)とたたえられてきました。
これに対してボタンは木で、横に広がる枝とあでやかに座る美しい花に特徴があり、中国では花王(かおう)と呼ばれて国花にもなっているほどです。
美しくて気品のある女性をたとえる表現に「立てば芍薬(しゃくやく)座れば牡丹(ぼたん)」という言葉があるように、シャクヤクのまっすぐに伸びた茎の立ち姿と、ボタンの横に広がって伸びる姿が座っているように見えることから、美しく高貴な女性の立ち姿と座った姿の見立てが転じたものです。
観賞して美しいシャクヤク、ボタンには、実用面でも古くから重要な薬用植物としても知られ、根の部分が漢方薬として、鎮痛、解熱、消炎などに効き目があります。
新緑も映え、植物が生き生きとしているこの時期、美しさと気品を持ち合わせたシャクヤクやボタンを見に出かけてみてはいかがでしょうか。