7月に入り、夏休みが待ち遠しい季節になりました。夏休みの楽しみ方のひとつに、キャンプがあります。自由にテントを張れる場合、場所選びには十分気をつけましょう。
特に川沿いの場合はいくつか避けたい所があります。まず、川の水面に土砂がたまってできた中州や、両岸の河原でテントを張るのは大変危険です。ここで雨が降っていなくても、上流で雨が降るとすぐに増水し、浸水の危険にさらされます。雨が降ると下流ならじわじわと水位が上昇しますが、渓流などではあっという間に水かさが増え、ときには鉄砲水となって一気に押しよせることもあります。
また、がけの下やがけのすぐ上も危険です。当日の天気がよくても、過去に降った雨の影響で地盤が緩み、土砂崩れを引き起こすことがあるからです。
では、テントを張るにはどのような場所を確保したらいいのでしょうか。キャンプ場の場合、決められている場所があればそのエリア内に張りましょう。もし、場所を自由に選べるなら、増水やがけ崩れの危険性があるところは避け、小高く、なるべく平らなところを見つけるといいでしょう。
キャンプは自然に囲まれた環境で、日常生活と異なる体験ができることが面白さの一つです。普段は危険を想定しにくい川沿いでキャンプをする際は、慎重にテントを張る場所を選びましょう。
お天気豆知識(2025年07月02日(水))


日増しに暑くなり、夏休みを迎えるこれからの時期は、川辺でのキャンプを考えている人も多いのではないでしょうか。しかし、この時期は毎年のように水難事故が増えます。
2023年に全国でおきた水難事故の発生場所を見てみると、約5割を占める海に次ぎ、河川では全体の約3割以上に及びます。キャンプ中の水難事故を未然に防ぐためにも、川の危険な場所をあらかじめ知っておくとよいでしょう。
まず、蛇行している川では、カーブの内側より外側のほうが流れが速く、川床が深くなっている場合があるので、できるだけ近づかないようにしましょう。また、土砂がたまってできた中州は川の増水で浸水したり、流れが速くなり孤立してしまう危険があるので、テントを張ったりバーベキューをしてはいけません。
このほかに人工的に作られた護岸も危険です。日本の河川では増水時に水を速く下流へ流すために、護岸と呼ばれるコンクリートを張った河川工事がなされていることがあります。もし川に流された場合、護岸にはいざというときにつかめる草木もないため、勢いよく押し流されてしまう危険があります。
さらに、河川や渓谷を横断するえん堤の下では水が巻き返しているため、万が一えん堤の下に落ちた場合、ぐるぐる回され続けて水面に上がってくることができません。
このように川には見た目では判断しにくい危険な場所がいくつもあります。川の危険な場所を事前に把握して、川辺のキャンプを安全に楽しみましょう。