多くの地域で、これから紅葉のシーズンを迎えます。紅葉がいつから始まるか気になる方も多いでしょう。
紅葉と秋の気温には深い関係があります。明け方の最低気温が8度前後より低くなると、しばらくして葉が色づきます。
また、冷え込みは一時的なものではなく、何日か続いて初めて紅葉につながります。
日中の暖かい日差しと夜の冷え込みというめりはりのある天気は、あざやかな紅葉の条件でもあります。
日本は世界でも類がないほど多種多様な樹木が色づき、美しい紅葉が見られる国です。紅葉の見ごろ時期を逃さず、素晴らしい秋の彩りを楽しみたいものですね。
お天気豆知識(2024年09月24日(火))


紅葉は、秋になって明け方の最低気温が8度前後より低くなる日があってからしばらくして色づき出します。いったい、紅葉はどのような仕組みでおこるのでしょうか。
秋になってだんだん気温が下がると、木の働きが衰えて、葉の付け根に「離層」と呼ばれる層ができます。この層ができると栄養が葉に届かなくなり、葉の中にあるクロロフィルと呼ばれる緑色のもと(葉緑素)が減って、緑色はだんだん消えてしまうのです。
イチョウのように黄色に葉が色づくものは、クロロフィルがなくなることで、もともとあったカロテンの黄色がでてきて、緑から黄色に変わります。
一方、カエデなどのように赤く葉が色づくものは、葉の付け根の離層に溜まったデンプンが日光にあたることで、赤色のアントシアンに変化します。クロロフィルがなくなり、アントシアンができるため赤色に変化するのです。
つまり、紅葉が赤くきれいに色づくためには、冷え込みと日光が必要といえます。実際に、秋になって急に寒くなるようなとき、また、日中暖かく夜間冷え込むようなときは葉に含まれるアントシアンなどの色素の量が多くなるため、美しい紅葉が見られるようになります。
そして、紅葉しはじめるころに良い天気が続くときも紅葉が美しく色づくのです。