私たちの生活に欠かすことのできない天気予報ですが、天気予報には天気のほかに、海上の波の高さを予報する波浪予報があります。
釣りやサーフィンで海へ出かける方、また漁業をされている方にとっては毎日の波の高さは天気予報と同じくらい気になるところです。
波浪予報は沿岸の海域、つまり海岸から20海里(およそ37キロメートル)までの水域の波の高さを予報します。
ここでいう波とは、風によって生じる波と、その波が遠くまで伝わってできるうねりを対象としていて、地震による津波などの地殻変動による波は含まれません。
波浪予報は単独として発表されることはなく、天気予報に含まれた形で発表されます。海上の波の予報は天気の状態と密接に関係しているため、ふたつを切り離して考えることはできないのです。
お天気豆知識(2024年09月23日(月))


波の高さの予報には、有義波高(ゆうぎはこう)の最大値を使います。有義波高とは、ある地点を連続して通過する波を高い方から順に並べて、その高い方の3分の1の波の平均をとったものです。
波浪予報の表現には基準があり、例えば「波が高い」といった場合は、波の高さに換算すると2.51メートルから4メートルまでのものを指します。
また、波の高さが4メートルを超え6メートル以下だと「しける」と表現します。しけは、強い風によって海面が波立ち、海が荒れて危険な状態のことを示しています。
台風の中心が接近した時などは、波の高さが10メートル以上と予想される時があり、この場合には、「猛烈にしける」という表現が使われます。
ただ、これはあくまで数値上の定義であり、各地域によっては、多少、波の高さに関する感覚が前後する場合があります。
しけにならなければ絶対安全というわけではないため、あくまで注意を促すための目安として用いられているのです。