みなさんは台風が接近、上陸した時に、一度風がおさまった後、逆向きの非常に強い風が吹き始めたという経験はありませんか。
台風は巨大な空気の渦巻きで、上から見ると中心へ向かって反時計回りに非常に強い風が吹き込んでいます。そのため台風の通過に伴い、風向きが変化するのです。
2003年の8月8日に台風10号が上陸した室戸岬を例に見てみましょう。室戸岬は、台風の中心が通過するまでは台風の中心よりも北側に位置していたため、東よりの強い風が吹いていました。
台風の中心が通り過ぎたあとは、今度は台風の中心よりも南側に位置することになり、台風を回り込む風は西よりにかわりました。この台風の通過後の逆向きの風を「吹き返し」といいます。
台風の中心近くでは一度風がおさまるため安心してしまうことがあります。しかし、吹き返しは、台風の中心の通過後まもなく、突然吹きだし、台風の中心が通過する前よりも強く吹く場合もあります。
そのため、思いもよらない吹き返しによって、被害にあってしまうことがあるので、十分に注意しなくてはならないのです。
お天気豆知識(2024年09月19日(木))
潮の干満の差は、おもに月の影響を受けて変化しています。そのため、月の満ち欠けと大潮、小潮などの潮の変化との間には、はっきりとした関係があります。
例えば、満月と新月の前後、旧暦でいうと1日と2日、14日から17日、29日と30日は、太陽と月と地球がほとんど一直線に並び、大潮になります。
また、半月の前後である旧暦7日から9日、22日から24日は、地球を中心にして太陽と月の位置がおよそ90度の角度をなし、潮は干満の差が最も小さい小潮になります。
さらに、月が上弦の月よりややふくらんだ旧暦10日と、下弦の月よりやや細くなった旧暦25日は長潮で、その翌日は若潮にあたります。
台風シーズンのこの時期は、高潮が発生しやすいときでもあります。特に大潮と台風による潮位の上昇が重なると、高潮の被害が大きくなりやすいため、満月や新月の前後に台風が来た時は高潮に十分注意しましょう。