11月は一般に「霜月(しもつき)」と呼ばれます。これは、霜が降りてくる時期であることからつけられた呼び名と推測されます。
全国的にみると、霜が降り始めるのは、北海道の早いところで10月上旬、次第に南へ下がり、九州では11月下旬から12月中旬となります。また都市部では遅く、東京では12月23日が平年日となっています。
11月には他にもいくつかの呼称があります。
10月の神無月(かんなづき)の由来は皆さんご存じでしょうか。神社の神様は、10月になると出雲大社に集まるため、「神様のいない月」という意味で「神無月」といわれます。ただし、神様の集まる出雲地方(島根県)では「神在月」(かみありづき)といいます。
これに対して、11月には各神社に神様が戻ってくるということで「神帰月(かみかえりづき・しんきづき)」、「神楽月(かぐらづき)」などとも呼ばれています。
また、霜降月(しもふりづき)、霜見月(しもみづき)、雪待月(ゆきまちづき)、雪見月(ゆきみづき)など、霜や雪に関する呼称が多くなっています。
昔の人は、白く美しい霜や雪に冬のおもむきを感じていたのでしょう。
お天気豆知識(2025年10月31日(金))


秋も深まり、朝晩を中心に、冷え込む日もでてきました。
そんな中、思いがけず暖かな陽気に包まれる日があります。11月から12月初めにかけてあらわれる暖かい日は、小春日和とよばれています。
小春日和とは、初冬の時期に再び春がやってきたかのような陽気を表現した言葉です。そもそも「小春」とは、旧暦10月の別名で、今の暦ではおおよそ11月にあたります。また「日和」とは晴天の意味ですから、小春日和は今の時期の晴れの天気を意味する言葉ともいえます。
ただ、初霜や初氷が観測されるのもこういった日の早朝や深夜が多いもので、小春日和の日は、朝晩に強く冷え込み、日中に暖かい日ともいえます。
ところで、アメリカでは小春日和を「インディアンサマー」とよんでいます。これは、先住民達がこの陽気を利用して冬支度をしたり、暖かい気候の南の土地へと移動を始め、平原に姿を現すからといわれています。つまり、小春日和のあとには、再び寒さが訪れるのだから、今のうちに十分な備えをしておこう、と呼びかけてもいるのです。
これからますます貴重になってくる、小春日和の暖かな陽気を、冬支度に利用してみるのはいかがでしょうか。

