日本各地には、地形の影響も加わって、局地風と呼ばれる季節特有、また地域特有の風が吹きます。
特に風の強い地域では、風の方向や強さを知る手がかりとして、「偏形樹(へんけいじゅ)」があります。
偏形樹は、木が成長する段階で、ある一定の方向から圧力を受けたため、まっすぐに伸びずに横に傾いた木のことです。
例えば、海岸沿いなど、海からの風が強く吹きやすい所では、幹は陸側に傾きやすくなります。
お天気豆知識(2025年10月28日(火))


偏形樹を多く調査することによって、木の傾き具合と傾いた方向から、その地域の風を知ることができます。
偏形樹には、傾き具合によって、グレード(段階)があり、これを目安に風速を推定します。つまり観測機器がなくても、地域の風の流れを調べることができるのです。
これからは、冬の季節風を感じやすくなってきます。少し気をつけて周りの木々を観察してみると、自分の住む地域の風の特徴に気づくことができるのではないでしょうか。
例えば、石狩平野では、いたるところで偏形樹をみることができます。傾いている方向は、北から北西方向です。冬の季節風の影響で南に傾くと思われる方も多いと思いますが、「成長期の風向き」が重要で、夏の南風の影響を受けているようです。
JRの新千歳空港駅から札幌の車窓でも目にはいってきますので、お出かけの際は見てみるといいかもしれませんね。

