今年の十五夜は10月6日です。
十五夜とは、旧暦15日の夜のことですが、特に旧暦8月15日を指すことが一般的となっています。この日の月は「中秋の名月」と呼ばれていて、古くからお月見を楽しむ習わしがあります。
お月見は日本だけの文化ではなく、中国や韓国などでもお月見をする風習があるのです。旧暦8月15日は中国では「中秋節(チョンチョウジェイ)」、韓国では「秋夕(チュソク)」と呼ばれる行事があり、日本と同様に月を愛でて楽しみます。
特に、韓国の秋夕(チュソク)は、国をあげての休暇シーズンでもあり、日本のお盆の時期と同様、多くの人々が帰省します。
お月見がいつ、どのように始まったかははっきりとわかっていませんが、中国でサトイモの収穫を祝う祭りが始まりというのが有力な説です。その後、中国の宮廷行事となり、日本には、奈良時代以降に伝わったと言われています。
お天気豆知識(2025年10月05日(日))


お月見にはお供え物をするのが古くからのならわしですが、お供え物は国によって違いがあります。
中国の場合、月餅(げっぺい)や柚子(ゆず)を家族で食べます。月餅(げっぺい)は、日本でも見かける中にあんの入ったまんじゅうですが、地方によっては中身がひき肉だったりと、様々な種類があるようです。
また、ゆずは日本のものとは違って、グレープフルーツに似た甘い果実です。ちょうど収穫の時期であり、また縁起がよいとされているため、十五夜に食べられるようになりました。そのほか、スイカやカキ、ナシなどの丸いものを供えることもあります。
一方、韓国では、松餅(ソンピョン)と呼ばれるもちを食べます。これは、松の葉を敷き詰めた蒸し器で作ったもちで、秋夕(チュソク)に今年の豊作を祝い、また来年への豊作を祈りながら、家族全員で食べるのがならわしです。
そして、日本のお供え物と言えば、月見だんごやサトイモです。だんごの数は12個ないし13個であることが多く、これは、その年の月の数を表しており、うるう月のある年に13個のだんごを供えるのです。
また、この時期は農作物の収穫時期であることから、感謝の意味を込めてサトイモや、地方によってはサツマイモ、クリなどをお供えします。中秋の名月が「芋名月」と呼ばれることもあるのはそのためなのです。