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お天気豆知識(2025年10月02日(木))

秋の季語・霧
秋の季語・霧

秋の季語の中に「霧」があります。「霧」というと、季節に関わらず年中発生するイメージを持っている人が多いのではないでしょうか。
10月に入って秋が深まってくると、冷え込みも強くなり、内陸の盆地では「霧」が多く発生するようになります。「霧」は無数の小さな水滴が空気中に煙のように立ちこめる現象です。
雲と似ていますが、雲は上空で水蒸気が凝結してできるのに対し、「霧」は地面に接した空気の中で水蒸気が凝結して発生するという違いがあります。そして人の目の高さで見通し距離が1キロメートル以上ある場合を「靄(もや)」、1キロメートル未満を「霧」と言い区別しています。
同じような現象で、風景がぼやけている様子や、山に薄い雲がかかっているような状態を「霞(かすみ)」がかかるといいますが、「霞(かすみ)」は気象用語としては定義されていません。
しかし俳句など文学の世界では、「春霞(はるがすみ)」というように「霞(かすみ)」は春の季語として使われていて、季節によって言葉を使い分けて表現しているのです。

盆地に現れる雲海
盆地に現れる雲海

雲より高い所から眺めれば、どんな雲でも雲海になりますが、飛行機などに乗らなくても、また、高い山に登らなくても雲海を見られる場所はあります。それは、盆地を見下ろすような山や丘陵地です。
盆地の上から眺めてみて、あたかも雲海でふたをされているように見えるとき、盆地の中にいる人にとっては、日差しが雲にさえぎられて曇り空になっており、時に雲が地面にまで接している時は、霧としてとらえられます。
つまり、盆地のように低い所で雲海が発生する条件は、霧が発生する条件と似たものになります。空気中に水分が多く含まれていて、それが冷やされたとき、盆地では霧や低い雲が発生しますが、これが上から見ると、雲海になるのです。
また、秋は移動性の高気圧に覆われてよく晴れることが多いころです。そのため、夜間の放射冷却によって地面付近の空気が冷やされることも多いのです。とくに盆地は周囲の山にさえぎられて風が比較的弱いため、空気が混ざり合うことも少なく、地面付近の空気の冷却には好条件になっています。
さらに、雨上がりに夜間の放射冷却がともなえば、盆地に十分な水蒸気がたまっているため、霧や低い雲ができやすくなるのです。
ちなみに、日がのぼって地面が暖められると、雲海は次第に上空へとのぼっていくため視界から消えてしまいます。山の上から盆地を覆う雲海を眺めてみるならば、天気が回復したばかりの晴れの日の明け方が絶好の条件といえるでしょう。

過去のお天気豆知識

秋の季語・霧2025年10月02日(木)
10月の総称2025年10月01日(水)
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お天気豆知識

秋の季語・霧

秋の季語・霧

秋の季語の中に「霧」があります。「霧」というと、季節に関わらず年中発生するイメージを持っている人が多いのではないでしょうか。10月に入って秋が深まってくると、冷え込みも強くなり、内陸の盆地では「霧」が多く発生するようになります。「霧」は無数の小さな水滴が空気中に煙のように立ちこめる現象です。雲と似ていますが、雲は上空で水蒸気が凝結してできるのに対し、「霧」は地面に接した空気の中で水蒸気が凝結して発生するという違いがあります。そして人の目の高さで見通し距離が1キロメートル以上ある場合を「靄(もや)」、1キロメートル未満を「霧」と言い区別しています。同じような現象で、風景がぼやけている様子や、山に薄い雲がかかっているような状態を「霞(かすみ)」がかかるといいますが、「霞(かすみ)」は気象用語としては定義されていません。しかし俳句など文学の世界では、「春霞(はるがすみ)」というように「霞(かすみ)」は春の季語として使われていて、季節によって言葉を使い分けて表現しているのです。

10月の総称

10月の総称

いよいよ10月です。10月は別名「神無月(かんなづき)」と呼ばれます。これは「かみなしづき」から転じた読み方で、名前の由来は、雷がない意味の「雷無月(かみなしづき)」という説や、翌月の新嘗(にいなめ)の準備として新穀(しんこく)で酒を醸す「醸成月(かみなしづき)」という説などがあります。しかし、もっとも知れ渡っているのは出雲大社に神が集まるために神がいなくなることからついたものでしょう。出雲地方では、反対に神が集まってくることから「神有月・神在月(かみありつき)」と呼ばれます。明治のはじめに暦が変わってしまったために、ずれが生じていますが、いまでも島根県出雲市(いずもし)の出雲大社では、旧暦の10月11日から出雲大社神在祭(かみありさい、今年は11月30日から)が行われています。そのほか、10月の別名としては、時雨の空模様が現れることから、時雨月(しぐれづき)、霜が降りはじめるころだから、初霜月(はつしもづき)とも呼ばれます。また、神を鎮めるための祭儀を行う月として鎮祭月(ちんさいづき)とも呼ばれます。

地震計の原理

地震計の原理

地震が起こると、テレビなどですぐに震源についての情報が伝えられます。地震の震源についての情報は、地面の揺れ方を調べることによって特定することができ、この揺れを記録する器械が地震計です。地震計の歴史は古く、中国では今から2000年近く前の漢の時代には、すでに地震を感知する装置が作られていました。日本では19世紀の終わりになって、外国から地震計が持ち込まれ、地震観測が始められました。現在では地震計の技術も向上し、高性能のものが多くなっていますが、今も昔も変わらないのは、その多くに振り子が使われていることです。地震の際はあらゆるものがいっしょになって揺れるため、地面の動きを正確にとらえるには地面に対してまったく動かないものが必要です。振り子は、その動かない点の役目をします。現在では、強い揺れでも観測できるようにデジタル式の地震計が活躍しています。