夏休みの宿題と言えば、アサガオの観察が定番ですね。
アサガオは、その名の通り早朝に花を咲かせて昼前には閉じてしまう早起きの花です。青、青紫、ピンクに白、絞り模様など、多彩な種類のものが出回っています。
夏に咲く花としてアサガオはとてもなじみがありますが、その他にもヒルガオ、ユウガオ、ヨルガオもこの時期に花を咲かせます。
ヒルガオは昼の暑い盛りに咲く花で、夕方にはしぼんでしまいます。そして、ユウガオとヨルガオは夕方から翌朝まで夜の間に花を咲かせるため、それぞれの名前が付きました。ユウガオとヨルガオのどちらも暗闇の中で白く大ぶりの花を咲かせます。これらの花は咲く時間帯によってそれぞれ似たような名前が付けられているため、同じ種類の花と思われがちですが、1つだけ種類が違うのです。
それはユウガオです。アサガオ、ヒルガオ、ヨルガオはヒルガオ科で、一方ユウガオだけはウリ科なのです。ヒルガオ科もウリ科もつるを持ちますが、花の形が異なります。ろうと状のつながった花びらを持つヒルガオ科の花に対して、ウリ科の花の花びらは分かれています。
このように、これらの夏の花は全て名前に「顔」の文字が入るという共通点を持ちますが、実は、ユウガオだけが仲間はずれだったのです。
お天気豆知識(2025年07月26日(土))


夏の夕闇に、白い大輪の花を咲かせるユウガオ。
紫式部の「源氏物語」に「夕顔」という幸薄い運命を背負った女性が登場しますが、この花のはかなさになぞらえたものとされています。
ユウガオはウリ科の植物で、アサガオ、ヒルガオ、ヨルガオのようなヒルガオ科の花とは種類が異なります。また、ユウガオという名前は花が夕方から咲くことから付けられました。
開花後2週間から1か月程すると大きな実をつけることもウリ科ならではです。その大きさは、直径約30センチ、重さはおよそ10キロのものから大きいものでは30キロにも及びます。
この実は主にかんぴょうに加工します。果肉の部分をかんなで薄く細長くテープ状にむき、2、3日天日に干して乾燥させて作ります。
白いはかなげな花からこのようなずっしりとした重たい実ができるとは意外ですね。