6月5日は二十四節気のひとつ「芒種(ぼうしゅ)」です。芒種の「芒」とは、穀物の先端の細い毛のことで、「のぎ」と読みます。このころ、芒のある稲や麦などの穀物の種をまくことから芒種といわれています。
また、この時期は梅雨を代表する花であるアジサイが咲き始めます。現在では白やピンク、赤などさまざまな色のアジサイがあり、その品種は500種類におよびます。
アジサイの色は土壌の性質によって左右されます。土壌が酸性の場合は青色系が、アルカリ性だと紅色系が発色しやすくなります。
日本はアジサイの原産地であり、土壌は酸性であったため、古来のアジサイは青色でした。この青いアジサイが18世紀終わりごろにヨーロッパに渡り、ヨーロッパのアルカリ性の土壌で赤っぽい色のアジサイが生まれました。その後、さらなる品種改良の結果、色とりどりのアジサイが生み出されたのです。
色鮮やかで華やかなアジサイが雨の日に彩りをそえてくれるでしょう。
お天気豆知識(2025年06月04日(水))


アジサイはその色が移りかわることから、日本では「七変化」の別名を持ち、中国でも同じ理由で「八仙花(はっせんか)」などと呼ばれています。
はじめは薄い緑色をしていますが次第に白に変わり、その後、徐々に青を深めてくるのです。最後には青紫となって終わることが多いようですが、ときには青や赤紫、白になることもあります。
アジサイはたくさんの花が集まって美しく見えますが、花びらに見えるものは実はガクで、飾り花(かざりばな)とよばれています。花はその中央の小さな丸いもので、めしべが退化しているためにほとんど実を結ぶことはありません。
色がさまざまに変化していると思われていたのは、花ではなくガクだったのです。※ガクアジサイなどは飾り花が花のまわりにできて、やがて飾り花しか見えなくなります。ここでいう「花はその中央の小さな丸いもの」は、複数の飾り花全体の中央を指しています。