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お天気豆知識(2025年06月01日(日))

火砕流
火砕流

43人が犠牲になった長崎県の雲仙岳の大火砕流から3日で32年になります。
1990年11月に始まった雲仙岳の噴火活動は1995年に終息しましたが、この間、頻繁に火砕流を発生させ、大きな被害を出しました。「火砕流」という火山用語を雲仙岳の噴火で初めて知った人も多いのではないでしょうか。
火砕流とは、火山の噴火に伴い、高温の火山灰やガス、岩石などが一団となって高速で斜面を流れる現象です。その様子が雲のようにも見えるため、別名「熱雲(ねつうん)」とも呼ばれ、温度はセ氏数百度から1000度、流れ下る速度は時速100キロ以上にも達します。
火砕流は高温高速であるため破壊力が極めて大きく、通過した地域のほとんどすべてを焼き尽くし破壊します。そのうえ発生してから逃げるのはたいへん困難なため、火砕流は火山現象の中では最も危険なもののひとつとされています。雲仙岳で起きた火砕流は、火砕流の規模そのもので見ると小規模な部類に入り、数万年に一度という頻度で発生するような、極めて大規模な火砕流になると、その到達距離は、火口から100キロ以上に及ぶことがあります。
1902年、カリブ海に浮かぶ西インド諸島マルチニーク島のモンプレー火山で起きた噴火では、火口から8キロ離れた都市が火砕流に襲われ、逃げる間もなく住民2万8000人が全滅したという記録も残っています。
火砕流は発生後の避難が困難なことに加え、発生の予測も難しいため、普段から個々の火山の特性をよく知り、噴火したときに最善の対処ができるよう備えておく必要があります。

噴火に伴う主な現象
噴火に伴う主な現象

火山が噴火すると、それに伴っていくつもの危険な現象が起こることがあります。
例えば、よく知られているものに溶岩の流出があります。地表を流れ下る溶岩は「溶岩流(ようがんりゅう)」といい、溶岩流が通るとその高い温度によって建物や道路、田畑は全て焼失してしまいます。
また、噴石は、噴火によって火口からふき飛ばされた岩石などの噴出物のことで、火口から数キロメートル離れた場所まで飛ぶこともあります。
火砕流は、高温の火山灰や岩石、火山ガス、空気、水蒸気が一体となって山を流れ下りるもので、最も危険な現象のひとつです。その速さは時速数十キロメートルから数百キロメートルで、その流れの先にいた場合、避けることは不可能だといわれています。
さらに、火山活動が衰えてきてもなお注意しなければいけないものに土石流があります。土石流は岩石や土砂、倒された樹木、火山灰などが水と一緒になって流れ下りるもので、たいてい時速数十キロメートルの速さで進み、かなり離れたところまで流れていくため危険です。雨や雪解け水などによって誘発されることも多いため、大雨の際は発生の可能性が高くなります。そのため火山が噴火した時は、火山活動はもちろんのこと、そのごの天気も把握する必要があるのです。

過去のお天気豆知識

甲子園の風2025年08月05日(火)
給水制限による影響2025年08月04日(月)
車酔いの要因2025年08月03日(日)
ビールの適温2025年08月02日(土)
離岸流とは2025年08月01日(金)
8月の名称2025年07月31日(木)

各地の天気

お天気豆知識

甲子園の風

甲子園の風

今年も、甲子園球場で、高校球児達の暑い夏が始まりました。甲子園球場では、試合結果に大きく影響する、ある風が吹きます。ライト方向からレフト方向に吹く南西風で、甲子園球場にとっては、海から吹いてくる風のため「浜風(はまかぜ)」と呼ばれます。一般的に、昼は海から陸へ、夜は陸から海へ風が吹くため、甲子園球場の風は第一試合が始まる前ぐらいの時間に、海からの「浜風」に変わります。この時はほぼ無風状態となるため、体感的にかなり暑くなります。その後、昼過ぎにかけて次第に浜風は強くなり、風速5メートル前後、強い時には瞬間で10メートルを超えることもあります。このくらいの強さになると、ボールの飛び具合や行く先にも影響が出ます。ボールが上空に飛んだとき、ボールは風の影響を大きく受けます。ライト方向の打球は向かい風となるため押し戻され、レフト方向の打球は追い風となるためよく飛びます。そしてこの浜風はバッターだけの問題ではありません。上空に上がった打球が強い風に流されると、守備も難しくなります。甲子園球場で試合をする選手たちは、この風に早く慣れることが、試合に勝つためには重要となります。風を味方につけるか敵に回すかで、試合も随分と変わってくるのです。

給水制限による影響

給水制限による影響

降水量が少なく水不足が懸念されると、取水制限や給水制限が行われます。取水制限とは、河川からの取水量を減らすことで、給水制限とは、取水制限が行われている際、各家庭へ給水するための水圧を下げたり、時間を制限することです。そのため、私たちの生活に直接関わってくるのは、水道水(上水)の給水制限が行われた場合です。給水制限が、10パーセント以下の時は、生活への影響はあまりないといわれています。10パーセントから20パーセントになると、学校や市民プールなどの一部で開放時間の短縮、休止が始まります。公園にある噴水の水が止められたり、学校での給食のメニューが変更になるのは20パーセントくらいからです。さらに給水制限が30パーセントから40パーセントに達すると、高台での水の出が悪くなったり、野菜の値段が上がるなど、生活への影響も大きくなります。そして、40パーセント以上になると、夜間の断水が始まったり、病院などの医療機関への影響も出てきます。いつもは蛇口をひねるだけで当たり前のように出てくる水ですが、この快適な生活を守るためには、私たち一人一人が日々の節水に心がけていく必要があるのです。歯磨きや食器洗いのときは水を流しっぱなしにしない、シャワーはこまめに止める、お風呂の残り湯は洗濯や掃除に利用する、など水を大切に使うよう心がけましょう。

車酔いの要因

車酔いの要因

山道などカーブの多い道路をドライブしている時に、車に酔ってしまうことがあります。車に酔うと気分が悪くなり、おう吐などの症状が引き起こされますが、そもそも車酔いには、耳の奥にある「三半規管(さんはんきかん)」という平衡感覚をつかさどる器官が関係しています。通常は、三半規管が目から入る視覚的な情報と体の動きのずれを、調整しているため、私たちは無意識に姿勢を保つことができます。しかし、様々な方向に振動する車の中では、三半規管の機能が上手く働かないことがあり、その結果、「酔い」の症状がでることがあるのです。その要因としては、周りの環境によって引き起こされる外的な要因や、乗車する人の心理的な要因、そして身体的要因が挙げられます。外的要因の例としては、カーブの多い道や車のにおいがあります。カーブの多い道は左右の振動が大きいため、三半規管が機能を保ちにくく、車の中のガソリンなどの独特のにおいは、酔いの症状を引き起こすことがあります。また、心理的要因としては、思いこみや心配事があります。心理的に不安な状態にいるときや、「自分は乗り物に弱い」という思いこみを持っている場合、車に酔いやすくなります。そして、身体的な要因には寝不足や空腹などがあり、このような状態にある人も酔いやすくなります。このように、車酔いには、様々なものが影響しているのです。