6月1日は「電波の日」です。1950年6月1日に電波法が施行され、電波が国民に広く利用できるようになったことを記念して設けられました。
電波は波長の違いによっていろいろな種類があり、それぞれの伝わり方には特徴があります。
例えば、私たちに馴染み深いAMラジオは、波長の長い中波と呼ばれる電波を受信しています。AMラジオの電波は主に地表面に沿って伝わり、低い山でも越える性質があります。
また、アマチュア無線や国際放送などに使われる電波は短波と呼ばれ、上空約100キロから上にある「電離層」と呼ばれる層に反射しながら地球の裏側まで伝わります。このため長距離の通信に適していて、遠洋の船舶無線などにも使われています。
そして私たちの日常生活にすっかり溶け込んだ携帯電話にも電波が使われています。この電波は、極超短波と呼ばれる電波で、直進する性質がありますが、山や建物などの障害物があってもある程度は回り込んで伝わります。
さらに、高速道路で見かける料金自動徴収システム「ETC」は、車に載せた通信装置で、料金所のアンテナと無線交信し、通行料を精算する仕組みになっています。このとき発せられるマイクロ波と呼ばれる電波は、水滴に吸収される性質をもつため、雨の日はあまり遠くへ伝わりません。
このように私たちの身の回りに飛び交っている電波には様々な種類があり、その特徴を生かした利用がされているのです。
お天気豆知識(2025年05月30日(金))


深夜にAMラジオを聞いていると、普段より音がきれいに聞こえたり、チューニングをしていると、日本以外のラジオ局の放送が聞こえたりしたことはありませんか。
これは「電離層」のしわざです。電離層とは、地球の上空100キロから上にある電子がたくさんある層のことです。
電離層は何層にも分かれていて、その一番下の層は太陽からの紫外線によってできる層です。
昼間はこの層の電子が地上から発せられるAMラジオが受信する中波の電波を吸収します。一方、夜になると紫外線がなくなり、一番下の層はなくなります。その結果、中波の吸収はなくなり、電離層は鏡のように電波を反射するのです。
反射した電波は遠く離れたところにも届くため、夜は外国のAMラジオ局の放送が聞こえることがあるのです。