5月も半ばになり、汗ばむことも多くなってきました。5月は1年の中で紫外線の量が最も多いため、紫外線には油断できない時期なのです。
紫外線対策にはさまざまな方法がありますが、真っ先に思いつくのは、長袖の服を着るなどして肌の露出を少なくすることでしょう。
ただ、衣服で肌を覆っているからといって紫外線を完全に遮断できるわけではありません。紫外線は衣服を通過して、肌に届くこともあるのです。
紫外線が衣服を通り抜ける割合は、その衣服の素材や色によって違います。一般に、麻や絹、レーヨンは紫外線を通しやすい素材といわれており、ポリエステルやウールの衣服はあまり通しません。
また、白やピンク、水色などの淡い色ほど紫外線を通し、黒や赤、紫などの濃い色は紫外線を通しにくいという特徴があります。その中でも最も紫外線を通しやすい色は白で、反対に最も通しにくい色は黒です。
これら衣服の素材と色から、紫外線から肌を守る衣服を考えると、ポリエステルやウールでできた黒色の衣服が理想的といえるでしょう。
ただ、これはあくまでも紫外線だけをみた着こなしです。ポリエステルやウールは汗をかくと不快感が増し、黒色は熱を吸収するので夏場はいっそう暑く感じるかもしれません。涼しさを取るか、紫外線を取るか、その時の状況に応じて着こなしてみてください。
お天気豆知識(2025年05月14日(水))


紫外線対策には、ポリエステルやウールの素材で、濃い色をした衣服ほど効果的ですが、それ以上に重要なポイントがあります。
それは生地の織り方と厚さです。織り方が粗い生地ほど紫外線を通しやすく、細かいほど通しにくくなるのです。そのため、白色のシャツでも、細かく織られたシャツならば、紫外線防止効果は増してきます。
また、生地の厚さが厚いほど紫外線はカットされます。たとえば、ジーンズは綿の糸を織り上げて作られたデニム素材でできていますが、素材の面からみると、特に紫外線を通しにくいわけではありません。しかし、生地がたいへん厚いため、結果としてほとんど紫外線を通さないのです。
このように、紫外線対策のためには、色や素材以上に、生地の織り方や厚さに気を配って衣服を選ぶ必要があるといえるでしょう。
ちなみに、最近は生地の色などにかかわらず、紫外線を十分に遮断してくれるUVカット加工の衣服も出回っています。
5月の心地よい風の吹く季節ならばまだいいのですが、真夏になると生地の厚い衣服や色の濃いものは、暑さで不快感が増してしまうので、本格的な夏がやってきたらこちらを利用してみるのもよいでしょう。