新緑が美しいこの時期は、自然の緑を求めて森林浴に出かける人が多くなります。よく緑は目に優しい色といわれますが、緑色にはどのような効果があるのでしょう。
私たちが色の違いを識別できるのは、物が発する光の波長の違いによるものです。光の波長の長さは赤・橙(だいだい)・黄・緑・青・藍(あい)・紫の順番で、赤がもっとも波長が長く、紫がもっとも短くなります。これは虹の配列と同じです。
その中で中間に位置する緑は目に負担をかけない波長であり、このため、長い時間緑に囲まれていても疲れを感じることがありません。
これに対し、赤は神経を奮い立たせるため、赤いものを見続けると疲れてきます。森林浴で気持ちが安らぐのは、木の葉や草の緑色が目にやさしく、心を和ませる空間をつくり出しているからなのです。
5月は木々から新芽が伸び、緑が一層映えます。森林浴に出かけ、緑に囲まれながら木漏れ日を感じたり、鳥の鳴き声に耳を傾けて心をリラックスしてみてはいかがでしょうか。
お天気豆知識(2025年05月12日(月))


私たちの身の回りはさまざまな色であふれています。普段何気なく目にする色ですが、それぞれに生理的、心理的な効果があります。代表的な色、赤・青・緑のそれぞれの効果をみてみましょう。
まず、赤は見る人に暖かさを感じさせるので、暖色の色相(しきそう)に属します。赤の効果としては、心理的には明るく元気のよい気持ちにさせ、生理的には心拍数を上げ、血圧を高めるなどの作用があります。このような興奮効果は食欲増進にもつながるので、レストランではテーブルクロスや小物に赤を取り入れて、食欲をわかせる演出をすることがあります。
次に、青は冷たさを感じる寒色の色相に分類されます。青は落ち着いてゆったりした気持ちにさせる沈静効果があります。このため、水色のパジャマを着ると神経の緊張が軽減され安眠できます。
そして、緑は暖色と寒色の両面の特徴を持ち合わせている中性色に属します。緑の効果としては安心感を与えるリラックス効果があります。家の中や会社に観葉植物を置くことは、リラックスできる空間をつくり出す手助けになります。
このように、普段の生活の中で色を上手に使い分けることで毎日を快適に過ごしたいものです。