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お天気豆知識(2025年05月13日(火))

星の明るさ・1
星の明るさ・1

夜空にはたくさんの星がありますが、明るさは、その星ごとに違います。一目で見つけられるくらい明るく輝く星もあれば、肉眼では見えない暗い星もあります。こうした星の明るさは等級によって区別されています。1等星とか2等星とかいう表現を聞きますが、これは星の明るさを表しているのです。
現在、私たちが使っている等級は、19世紀になって基準が正確に決められたものです。5等級違うと、明るさがちょうど100倍違うように定義されていて、1等星は6等星のちょうど100倍明るいことになります。
このように、夜空の星は明るさによって等級が決められているのですが、あくまで地球から見たときの星の明るさを表しているに過ぎません。この等級のことを、正式には「見かけの等級」と呼んでいます。
見かけの等級は、星自身の明るさの他に、地球と星の間の距離も関係していて、同じ明るさの星でも、近くにあれば明るく見え、遠くにあれば暗く見えます。明るさは距離の2乗に反比例するので、同じ明るさの星でも距離が2倍違うと、明るさは4分の1になってしまうのです。
そこで、星そのものの明るさを比べるために星を地球から一定の距離に持ってきて、地球から見た明るさの違いを表す方法が考えられています。天文学では、この一定の距離を32.6光年として、この距離だけ離れたときの地球から見た明るさを「絶対等級」と呼んでいます。

星の明るさ・2
星の明るさ・2

星の明るさには、見かけの等級と絶対等級とがあることからも分かる通り、地球上から見た明るさは、その星の本当の明るさとは限りません。
例えば太陽の場合、地球から見た明るさ、見かけの等級はマイナス27等で、夜空の星々とはけた違いの明るさです。
これは太陽と地球との距離が、他の星に比べて非常に近いためで、地球からみると非常にまぶしく見えます。しかし、絶対等級に直してみると、4.8等星となり、夜空でやっと見える程度の明るさになってしまいます。
逆に夏の大三角を作る、はくちょう座のデネブは、見かけの等級が1.3等です。しかしそれは地球からはるか1500光年も遠くにあるためで、実際は非常に明るく、絶対等級がマイナス7等にもなるじつに太陽より5万倍も明るい星なのです。
このように夜空では点にしか見えない星が、実は太陽よりもはるかに明るかったり、また、太陽のように非常にまぶしく見える星でも、実際は宇宙空間の中では、ありふれた星の中の一つだったりするのです。

過去のお天気豆知識

噴水2025年07月22日(火)
打ち水の効果2025年07月21日(月)
かげろう2025年07月20日(日)
セミが鳴く時間帯2025年07月19日(土)
土用2025年07月18日(金)
鳴き砂2025年07月17日(木)

各地の天気

お天気豆知識

噴水

噴水

よく晴れた夏の日は、噴水の水が涼感とともに日差しにきらめく美しい眺めを与えてくれます。噴水が作り出されたきっかけは、わき水への信仰によるものだと考えられています。古代のギリシア人たちは自然のわき水を模した噴水を神殿の近くにつくって、神々や英雄にささげていました。また、紀元前3世紀半ばから紀元後5世紀にかけて栄えたローマ帝国では、豊富な水量と水を扱う優れた技術によって、噴水が非常に発達しました。15世紀から16世紀にかけてのルネサンスの時代には、噴水がそれまで以上に芸術作品として注目されるようになり、宮殿などだけではなく、道や広場にもつくられてその美しさを競うようになったのです。噴水は、時代によって信仰や芸術性、実用性や装飾性などさまざまな役割を与えられてきたのです。

打ち水の効果

打ち水の効果

夏の暑い日、とりわけ夕暮れ時、店先や路地裏などで、人々が打ち水する光景は、夏の風物詩の一つです。打ち水された場所は、ひんやりと感じられます。注射をする前の消毒などでアルコールが肌に塗られた時その部分が冷たく感じられます。アルコールが蒸発する時に皮膚の熱を奪うためで、打ち水も原理は同じです。つまり、水が蒸発するときに地面の熱を奪い温度を下げるのです。打ち水には、太陽の熱で乾ききった地面のほこりを抑える働きもあります。また見た目にも涼しく感じられるなど、視覚的な効果も見逃せません。特に地面がアスファルトで覆われている都市部では、地面が土の場合よりも、水の蒸発が少ないので、余計に暑くなってしまいます。打ち水は、それを補うのに有効です。また、日当たりの良いマンションのベランダは、高温で乾燥した熱帯砂漠のような状態となり、鉢植えやプランターの植物に悪影響を及ぼします。打ち水をすることで、そのような暑熱環境の改善にもつながります。エアコンなどがなかった時代、人々は知恵と工夫で暑さをやわらげ、涼を求めてきました。打ち水は技術が発達した現代でも十分通用するものです。今年も打ち水大作戦が行われています。暑い夏を涼しく過ごすためにも、参加して打ち水をしてみてはいかがでしょうか。

かげろう

かげろう

夏のとても暑い日に、アスファルトの道路のすぐ上の景色がゆらゆらと揺れて見えることがあります。なぜか、さらに暑さが倍増した気にもなってしまうのですが、この現象は陽炎(かげろう)と呼ばれるものです。かげろうは、高さによって気温が大きく違うために起こります。炎天下で道路を触ってみるとわかりますが、その表面はとても高温です。空気は温まった地面の熱によって暖められるため、地面に接しているところの気温が最も高くなるのです。このようにして、高さによって温度に違いがでると空気の密度も違ってきます。密度の違う空気の境目では光は屈折する性質がありますが、暖められた空気はたえず上昇し、密度にばらつきが生じるため、光は複雑に折れ曲がります。その結果、私たちの目には道路がゆらゆらと揺れているように見えるのです。