5月に入り、冬季に道路規制されていた所でも通行できる所が増えてきました。このような山岳道路のおかげで、私たちは自家用車で登山に行くことができるようになりました。
マイカー登山のよい点は、登山口まで簡単に行けることです。最寄りのバス停や駅から登山口までに時間をかけることがありません。また、マイカー登山では時間に左右されずに行動ができます。
週末しか休みが取れない場合は、登山口までの交通の便が悪いと、いくら最寄り駅まで始発列車で行っても、登り始めるのが遅くなるので登山が可能な山が限られてしまいます。その点、マイカー登山なら自分のスケジュールに合わせて行程が組めるので便利です。
一方、マイカー登山の悪い点は、車の排気ガスが環境破壊をもたらすことです。山道沿いを中心に樹木が立ち枯れている所が増えているのはそのためです。
また、交通の便が良くなって行きやすくなることで登山者が増加し、それに伴いゴミが増加するという点があげられます。このようにマイカー登山により便利になった反面、環境への影響も無視できないのです。
お天気豆知識(2025年05月05日(月))


登山する際、自家用車で登山口まで行くことができれば大変便利ですが、環境破壊の問題とも絡み、マイカーを規制している山があります。
その一例を見てみると、北上山地の最高峰である岩手県の早池峰山(はやちねさん)では、毎年6月第2日曜日から8月第1日曜日までの土、日、祝日にマイカー規制を行っています。
また、群馬県、福島県、新潟県の3県にまたがる尾瀬もマイカー規制を行っています。福島県側では通年で規制が行われており、混雑が予想される5月下旬から10月上旬までの週末や祝日などの44日間は観光バスの通行もできません。群馬県側でも5月から10月までの混雑が予想される100日を超える期間、規制が行われています。
そして、富士山でも自然環境保護と交通渋滞解消のために、毎年8月の一定期間マイカー規制を行い、長野県の上高地でも自然環境保護と交通安全のため、通年でマイカー規制をしています。
さらに、長野県と岐阜県の県境にある乗鞍岳では、岐阜県側の乗鞍スカイラインは5月15日から10月31日、長野県側の乗鞍エコーラインは7月1日から10月31日の間は開通しますが、バスやタクシーなどの許可車両でしか通ることができません。
これらの山に登る際は麓の駐車場に車を置いて、バスやタクシーなどに乗り換え、登山口まで向かうことになります。
マイカー登山は大変便利ですが、一方で環境への配慮から規制される山もあります。規制の日にちや時間、駐車場の位置など事前によく調べてから出かけることが必要でしょう。