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お天気豆知識(2025年05月02日(金))

旧暦五月は雨の季節
旧暦五月は雨の季節

5月になり、すっかり新緑の季節となりました。5月といえば晴れる日が多く、すがすがしいといった印象がありますが、昔からそうだったわけではありません。
日本の暦は明治6年に旧暦から新暦へ移行しました。明治5年12月2日の翌日には明治6年1月1日となり、このときおよそ1か月のずれができたわけです。
そのため、旧暦の5月は現在の梅雨の時期にあたります。つまり、旧暦が使われていたころの「5月」は、雨の季節だったのです。
「五月晴れ」という言葉は、現在はすっきりとした5月の晴れ模様に使われますが、旧暦が使われていたころは梅雨の晴れ間を表す言葉でした。
この言葉からも、昔の人々の「五月」のイメージが今とは違っていたことがわかるでしょう。

「五月」のつく言葉
「五月」のつく言葉

「五月」のつく言葉を辞書で探してみるとその数はほかの月に比べて多めです。五月人形(ごがつにんぎょう)、五月幟(ごがつのぼり)、五月鯉(ごがつごい)のように端午の節句にからんだ言葉のほかにも、旧暦5月の印象を残す五月雨(さみだれ)、五月躑躅(さつきつつじ)五月蠅い(うるさい)などがあります。
五月晴れがもともと梅雨の晴れ間をさしていたように、五月雨は旧暦5月に降る長雨、つまり梅雨のことをさしています。
そして、現在の5月下旬から7月に咲く花にサツキがあります。サツキはツツジの仲間で、旧暦5月ころに咲くことから五月躑躅(さつきつつじ)と呼ばれるようになりました。
また、「うるさい」という形容詞には、五月の蠅(ハエ)という漢字があてられることがあります。今の5月にはハエの姿をみることはあまりありませんが、梅雨のころになると、しだいにハエがうるさくなってきます。あの清少納言もハエについて、にくいもの、かわいげのないものと述べていて、ハエは古代からうるさい、さわがしいものの代表としてとらえられていたようです。
とくに活動を始め出す梅雨のころ、旧暦5月のハエのうるささはこの上なく、やがて「うるさい」に「五月蠅い」という文字をあてるようになりました。
このように、五月雨、五月躑躅、五月蠅い、に使われている「五月」は梅雨のころの印象をふくんだことばとして今も残っているのです。

過去のお天気豆知識

旧暦五月は雨の季節2025年05月02日(金)
鉛筆の濃さ2025年05月01日(木)
皐月(さつき)・5月の呼称2025年04月30日(水)
ドライブ前の車の点検2025年04月29日(火)
高速道路の横風2025年04月28日(月)
バナナ2025年04月27日(日)

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お天気豆知識

旧暦五月は雨の季節

旧暦五月は雨の季節

5月になり、すっかり新緑の季節となりました。5月といえば晴れる日が多く、すがすがしいといった印象がありますが、昔からそうだったわけではありません。日本の暦は明治6年に旧暦から新暦へ移行しました。明治5年12月2日の翌日には明治6年1月1日となり、このときおよそ1か月のずれができたわけです。そのため、旧暦の5月は現在の梅雨の時期にあたります。つまり、旧暦が使われていたころの「5月」は、雨の季節だったのです。「五月晴れ」という言葉は、現在はすっきりとした5月の晴れ模様に使われますが、旧暦が使われていたころは梅雨の晴れ間を表す言葉でした。この言葉からも、昔の人々の「五月」のイメージが今とは違っていたことがわかるでしょう。

鉛筆の濃さ

鉛筆の濃さ

5月2日はエンピツの日です。鉛筆の後ろには、2Hや2Bなどの数字とアルファベットの組み合わせが書かれているのを目にするでしょう。これらは鉛筆の濃さを表していますが、大変多くの種類があるのです。まず、アルファベットにはHとFとBがあり、Hは英語の「硬い」を意味するHARDの頭文字からとられ、Fは英語の「しっかりした」を意味するFIRMの頭文字から、Bは英語の「黒い」を意味するBLACKの頭文字からとられています。鉛筆はH、F、Bの順番でより濃くなっていきますが、濃さの段階はこれと数字との組み合わせによってさらに細かく分けられ、全部で17種類にのぼります。JISの定義では、Hは9Hまであって、数字が大きくなるほど薄くなり、Bは6Bまでで、数字が大きいほど濃くなり、これらの間にFとHBをはさみます。また、さらに硬い10Hと、より黒い10Bまでの22種類を販売しているメーカーもあります。このように鉛筆は細かく濃さの段階が分けられ、用途に応じて使い分けができる工夫がされているのです。

皐月(さつき)・5月の呼称

皐月(さつき)・5月の呼称

5月は日ざしが少しずつ強くなりますが、まだ湿気が少なく過ごしやすい季節です。旧暦の5月は現在の6月にあたるため、今の5月の異称には明るい初夏と暗い梅雨シーズンを表す名称が同居しています。明るいイメージの五月晴れ(さつきばれ)に対して、暗いイメージの五月雨(さみだれ)という言葉があります。風薫る五月、初夏の印象からは早苗月(さなえづき)、多草月(たぐさづき)、また初夏に咲く橘の花にちなんで橘月(たちばなづき)などのすがすがしい命名があります。一方、梅雨の印象からは五月雨月(さみだれづき)月見ず月(つきみずづき)などの否定的な名称も目立ちます。なお西洋では5月は、青春の月とも言われ、若さと美を代表する明るい月とされています。英語で5月はメイで、成長の女神マイウスから出た言葉とされています。大きな英語の辞書で各月に関係のある語を数えてみると、5月の言葉が圧倒的に多くなります。例えば毎年盛大に行われるメーデーは昔は春の花の祭り、その祭りの女王に選ばれるのがメイクイーン、花祭りの柱がメイポール、5月の季節はメイタイムです。メイフラワーは春の花のことですが、アメリカ大陸への定住にはじめて成功したイギリス人たちが新大陸を目指して乗り込んだ船の名前はメイフラワー号です。言葉の多さからも分かるように、英語圏の人々にとっても5月は印象的な月だったようです。