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お天気豆知識(2025年04月30日(水))

皐月(さつき)・5月の呼称
皐月(さつき)・5月の呼称

5月は日ざしが少しずつ強くなりますが、まだ湿気が少なく過ごしやすい季節です。
旧暦の5月は現在の6月にあたるため、今の5月の異称には明るい初夏と暗い梅雨シーズンを表す名称が同居しています。明るいイメージの五月晴れ(さつきばれ)に対して、暗いイメージの五月雨(さみだれ)という言葉があります。
風薫る五月、初夏の印象からは早苗月(さなえづき)、多草月(たぐさづき)、また初夏に咲く橘の花にちなんで橘月(たちばなづき)などのすがすがしい命名があります。一方、梅雨の印象からは五月雨月(さみだれづき)月見ず月(つきみずづき)などの否定的な名称も目立ちます。
なお西洋では5月は、青春の月とも言われ、若さと美を代表する明るい月とされています。英語で5月はメイで、成長の女神マイウスから出た言葉とされています。大きな英語の辞書で各月に関係のある語を数えてみると、5月の言葉が圧倒的に多くなります。
例えば毎年盛大に行われるメーデーは昔は春の花の祭り、その祭りの女王に選ばれるのがメイクイーン、花祭りの柱がメイポール、5月の季節はメイタイムです。メイフラワーは春の花のことですが、アメリカ大陸への定住にはじめて成功したイギリス人たちが新大陸を目指して乗り込んだ船の名前はメイフラワー号です。
言葉の多さからも分かるように、英語圏の人々にとっても5月は印象的な月だったようです。

「サツキ」ってどんな花
「サツキ」ってどんな花

ところで、みなさんはサツキという名前の植物をご存じでしょうか。一般にサツキといわれるものは、サツキツツジの略名で、ツツジの一種です。
今の頃はちょうどヤマツツジやミヤマキリシマ、クルメツツジなどの種類が道路沿いや公園などに咲き乱れていますが、サツキツツジはこれらからちょっと遅れて5月になってから咲き出す傾向があります。このため、同じツツジの種類でも、サツキだけは園芸的に区別されてきました。
ツツジ類は日本全国いたるところの山野に原生し、ときにはあたり一面を錦に飾ります。低い木で色彩も豊かなので、桜などとは一味違った趣があり、古くから庭に植えられ、切り花にもされている馴染み深い花木です。
このツツジの類は「源氏物語」や「枕草子」にも書かれていますが、平安時代の中期にはすでにこれらを山地より邸内、または庭園などに移し植え、盛んに鑑賞していたことがうかがわれます。
なお、どこの山地にも見られるツツジは昔から山の神のシンボルともされています。若い娘達が山遊びに行った際にツツジの花を持ち帰り、これを苗代(苗を育てる所)の水口(水の取り入れ口)にさす習慣が各地に多くありました。これは山の神は春になると山から下って田の神になると信じられていたためで、山から下った田の神がツツジを目印にして、その田へやってくるようにと願ったものです。
根付きやすいこの枝を積極的に苗代の水口にさして根付かせ、豊作を祈願する意味があったのです。農耕民族にとって、これは神聖な行事であり、ツツジがこの重大な役割を演じていたのも興味深いことですね。

過去のお天気豆知識

月下美人2025年07月05日(土)
夏の発汗量2025年07月04日(金)
氷雨(ひさめ)2025年07月03日(木)
テントを張る場所えらび2025年07月02日(水)
さそり座2025年07月01日(火)
文月2025年06月30日(月)

各地の天気

お天気豆知識

月下美人

月下美人

みなさんが寝静まった真夏の夜、たった一晩だけ幻想的な白い花を咲かせる「月下美人(げっかびじん)」という花があります。この花の開花時間は夜の数時間と短いため、身近にあったとしても花が咲いている姿を見ることはなかなかできません。月下美人は中南米が原産で、クジャクサボテン属に所属するサボテンの一種です。その昔、昭和天皇が台湾を訪問されたときに、この花の名を尋ねられたところ、隣にいた総督がとっさに「月下の美人」と答えたことから「月下美人」という名前が定着したというエピソードが残っています。月下美人の花は夕暮れになると花びらを開きはじめ、あたりに強い香りを漂わせます。しかし、朝には花びらを閉じてしまい、しおれてしまいます。まさに美人薄命、そのはかなさこそが人を魅了してやまないのでしょう。夏休みには月下美人の観賞会を行う植物園もあるようです。機会があれば、花を開く貴重な瞬間に立ち会ってみてはいかがでしょうか。

夏の発汗量

夏の発汗量

暑さが増すこれからの季節は、体を少し動かしただけでも汗をかいてしまいます。私たちが汗をかくのは、汗とともに体の熱を放出して体温を調節したり、皮膚の乾燥を防ぐためです。では、いったいどれくらいの量の汗をかいているのでしょう。夏場の1時間あたりの発汗量をみてみると、家事をしている時は100cc以上でコップ半分、外で歩いている時は約400ccでコップ2杯分に相当します。そして激しい運動をしている時は、約1500ccもの汗をかき、1時間の運動後の体重は1.5キロ減少することになるのです。このように激しい運動をする時は、運動後だけでなく運動をしている最中や運動前にもこまめに水分をとるように心がけましょう。運動の前は脱水症状の予防に、そして運動後もしばらくは発汗することがあるので水分補給が必要です。夏場は汗をかいたぶん水分を補給し、脱水症状にならないように心がけたいものです。

氷雨(ひさめ)

氷雨(ひさめ)

夏の季語に氷雨があります。氷雨というと、漢字から受ける印象から、寒い時期に降る冷たい雨のことだと思うかたがいらっしゃるでしょう。実は、夏の激しい雷に伴って降る「ひょう」を意味します。ひょうとは、積乱雲という種類の雲から降ってくる氷の粒のことです。積乱雲は入道雲とも言われ、夏になるとよく見かけるもくもくした雲で、その雲からひょうは作られます。夏に氷の粒が降るとは、意外な感じがしますが、積乱雲は初夏から夏にかけて多くできるのです。ひょうの形は、球状か不規則な場合が多く、色は透明のものや、乳白色と透明の層が混ざっているものがあります。また、大きさは、5ミリほどの豆粒大から、大きいものでは、なんと50ミリとこぶし大にまでなることもあり、人や農作物などに被害を及ぼすこともあるのです。ところで、氷雨は冬の「あられ」を指すこともあり、氷雨は夏の場合はひょう、冬の場合はあられと、俳句の世界では、夏と冬両方の季語として用いられる不思議な季語なのです。