毎年4月8日には、全国のお寺で「花祭り」と呼ばれる行事が催されます。この日は仏教の開祖であるお釈迦(しゃか)様の誕生日とされています。
それを祝うために行われるのが「花祭り」で、「灌仏会(かんぶつえ)」や「仏生会(ぶっしょうえ)」などとも呼ばれています。
この日、お寺では花できれいに飾られたお堂の中に生まれたばかりのお釈迦様の像が置かれ、参拝に訪れた人たちはこの像に甘茶(あまちゃ)をかけて祝います。
これは、お釈迦様が生まれたときに、それを喜んだ竜が「甘露(かんろ)」と呼ばれる甘い水をかけて産湯につからせたという伝説によるものです。
お寺によっては甘茶を配布しているので、花祭りに出かけたときにはこの甘いお茶をいただいてみてはいかがでしょうか。
お天気豆知識(2025年04月07日(月))


花祭りでは仏像に甘茶をかけて祝いますが、この甘茶とはどのようなものなのでしょうか。甘茶は同じ名前の「アマチャ」という植物から作られます。
植物のアマチャはアジサイの仲間で、長野県を中心に栽培されています。夏から秋にかけて葉を採取し、日光に当てて半乾きにしたあとによくもむと甘味が出てきます。
その後、さらに乾燥させて仕上げたものが生薬の甘茶となります。
甘茶の甘味成分は、一説には市販されている砂糖の100倍以上の甘味ともいわれ、飲用にされるほかに甘味料として加工食品に用いられたり、薬品に配合されて苦い薬を飲みやすくするなどの役目もしています。
甘茶自体を飲む機会はあまりないものの、その成分はふだん私達が口にしている食べ物の中にも含まれているかもしれません。