桜のつぼみも膨らみ始め、春らしい風景をよく目にするようになりました。日に日に暖かさが増してぽかぽかの陽気が多くなりますが、時には冬に逆戻りしたかと思うような寒さに一時的に見舞われることもあります。
このように、春になって気温が上がる時期に、突然やってくる寒さのことを「寒の戻り」といい、別名で「早春寒波」とも呼ばれます。
お花見の時期に「花冷え」という言葉をよく耳にしますが、花冷えは寒の戻りの一種で、桜が咲くころの思いがけない冷え込みのことです。
この他にも、北海道でライラックもしくはリラとよばれる花が咲く5月下旬ころの寒の戻りを「リラ冷え」といいます。
徐々に気温が上昇していくこれからの時期は、暖かくなったからといって油断せず、急な寒さにも対応できる服装を考えておくことが大切ですね。
お天気豆知識(2025年03月26日(水))


春になって気温が上がるころに冬のような寒さが戻ってくることを寒の戻りといいます。どのような時に寒の戻りになりやすいか見てみましょう。
まず、気圧配置が西高東低の冬型となって、日本付近に寒気が入ってきた時です。これは低気圧が日本海を通過したあとになりやすい気圧配置で、大陸から寒波がやって来て、時には雪が降ることもあります。
また、移動性の高気圧に日本付近が覆われて、放射冷却現象が起きる時も寒の戻りになりやすい時です。この時は、日中は暖かくなることが多いのですが、朝晩は冷え込み、遅霜がおりることもあります。
そして、日本の南海上に前線があると、関東や東北地方の太平洋側に北東気流とよばれる冷たい気流が流れ込み、寒の戻りになりやすくなります。
この時は天気がぐずつき日差しがない上に、冷たい空気が流れこんで、気温があまり上がりません。このような時には寒の戻りになりやすいので、薄手の上着などを持って外出するようにしましょう。