3月も後半となり、暖くなる日が増えてきました。川沿いなどを散歩していてヨモギの緑の葉を見かけることはないでしょうか。
ヨモギは草原や土手などに自生しており、日本の低地、荒地、海岸の砂地や高山帯までたいていどこでも普通に見られる大変身近な植物です。
また季節を選ばず一年中簡単に採ることができ、中でも春のヨモギは、新しい芽がどんどん出てきてやわらかいので、この時期の若い芽や葉先を食用とすることが多いのです。このヨモギを使った草もちからは春の香りが味わえます。
また、ヨモギは香りを楽しむだけではありません。ヨモギは鉄分やビタミンを多く含みます。とくに鉄分は、ホウレン草の2倍以上の量です。
このようにヨモギは、草もちという印象が強いのですが、実は、身近なところに生え簡単に手に入る薬草なのです。草もちはもちろん、おひたし、汁物にいれるなどして春の味を楽しみましょう。
お天気豆知識(2025年03月17日(月))


ヨモギは昔から日本人のくらしになじみがあり血行促進、消炎・止血、防腐・抗菌などの効果があります。このためヨモギは草もちだけではなく様々な用途に利用されています。ヨモギから良い効果を得るための用途をいくつか紹介しましょう。
まずは、「ヨモギ湯」です。干したヨモギの葉、または生の葉を布の袋に入れて煮出したものを湯船に入れると体がよく温まり、腰痛に効き、美肌効果もあるといわれています。その芳香は気分をスッキリさせるので心身共にリラックスできます。
また、野山で転んだり虫に刺されたとき、ヨモギの葉を傷口にあてたことがあるという人もいるのではないでしょうか。これはヨモギの消炎・止血の効果を利用したものです。漢方では、ヨモギを「がいよう」と呼んで、その止血作用を治療に利用しています。
ほかにも、まぜご飯やおかゆにしてもおいしく、ビタミンや鉄分など栄養たっぷりです。特に沖縄ではヨモギは「フーチバー」と呼ばれていて「フーチバージューシー」というヨモギのおかゆは沖縄の家庭料理の代表的なものです。
このようにヨモギは草もちにする以外にも様々な方法で利用されているのです。