学校や公園の花壇などで、いろいろな色のチューリップを目にする季節となってきました。春、花壇を彩る花の代表といえばやはりチューリップではないでしょうか。
現在栽培されているチューリップの品種はおよそ200種類といわれており、その数からも世界中の人々に愛されている花といえるでしょう。
そんなチューリップを観察してみると、時間によって、または日によって、花びらの開き具合が違うことに気付きます。
実は、チューリップは気温によって花びらを閉じたり開いたりしているのです。暖かい昼間や暖房のきいた室内にあるチューリップは、多くが花びらを開いている状態にあります。一方、気温の低い朝晩や雨が降って肌寒い時などは花びらを閉じています。
このように、チューリップの花びらの開閉に影響を与える気温は17度といわれており、17度より高くなれば花びらは開き、低くなれば花びらは閉じるのです。チューリップを見かけたら、花びらの開き具合に注目してみるとおもしろいかもしれませんね。
お天気豆知識(2025年03月15日(土))


気温によって花びらの開閉を繰り返す花は、チューリップのほかにもクロッカスやサフラン、フクジュソウなどがあげられます。
クロッカスは、温度の変化に敏感な花で、わずか0.5度の温度変化により花びらを閉じたり開いたりするといわれます。また、クロッカスの秋咲き種であるサフランも同様に気温を感知して花びらを開閉させます。
そして、2月から4月にかけて雪どけとともに花を咲かせるものにフクジュソウがありますが、この花も気温を感知して黄色い花びらを開閉します。
このように、チューリップ以外にも気温によって花びらの開閉を繰り返す花はいくつか知られています。
これらの花々を見つけたら時間帯によって花びらの開き方が違っているはずです。美しい彩りだけではなく花びらにも注目してはいかがでしょうか。