3月に入り、暖かい春の日ざしを感じる日も徐々に多くなってきました。そのため、3月は穏やかな季節をイメージするかもしれませんが、天気や気温が大きく変化しやすい時期なのです。
初夏の陽気になったかと思うほど暖かくなることがあれば、翌日には冬に逆もどりしたかのような寒さになることがあります。
例えば、低気圧が日本海にある場合、低気圧に向かって南からの暖かい風が流れ込みます。この暖気の影響で気温はぐんと上がり、雪山では雪崩が発生しやすくなります。その後、低気圧がオホーツク海や日本の東の海上に抜けると風向きが変わります。
日本列島は西高東低の冬型の気圧配置となり、寒気を伴った強い北よりの風が吹きます。この寒気の影響で一気に気温が下がり、日本海側では大雪になることもあるのです。
このように、3月は天気や気温の変化が激しい時期であり、大きな災害をもたらすこともあるので、海や山にレジャーに出かけるときは特に注意が必要です。
お天気豆知識(2025年03月02日(日))


空気が乾燥している地域は、冬の間は太平洋側が中心でしたが、春になると、雪で湿度の高かった日本海側の各地でも空気が乾燥することが多くなってきます。そのため、春は全般に火災が発生しやすく、また風も強く吹きやすいため、火の始末には十分注意しなくてはなりません。空気の乾燥による火災発生の注意を促すものとして「乾燥注意報」があります。
乾燥注意報の基準となるものは「実効湿度」と「最小湿度」です。実効湿度は、その日の空気の乾き具合を示すのではなく、数日前からの空気の状態を考慮して計算したもので、日本の家屋に多く使われている木材の乾燥具合を示しています。
また、最小湿度は文字通り1日の中で最も低い湿度のことで、数字が低ければ低いほど空気が乾燥していることになります。ではどれくらいになると注意報は発表されるのでしょうか。
実効湿度が50パーセントから60パーセント以下になると火災の危険性が高まりますので、各地とも50パーセントから65パーセントで、ほぼ一律に発表されます。
しかし、もう一つの基準である最小湿度は地域によってばらつきがあり、南の沖縄では50パーセント、札幌では30パーセントが基準となっています。仙台では風速7メートル以上で45パーセント、東京ではさらに低く、最小湿度が25パーセントにならないと発表されません。これは空気中に含まれる水蒸気の量に関係しているのです。