花粉症の季節となり北日本でも花粉が飛ぶようになってきました。今の時期、花粉症の主な原因はスギによるもので、そのためスギに良い印象をもっていない人も多いのではないでしょうか。
しかしスギは用途が広く、私たち日本人にとっては身近な木なのです。スギはマツやヒノキとならぶ日本の代表的な樹木で、国内の木材利用の約半分を占める程です。(平成29年木材統計より)
日本の気候はスギの生育に適しており、その分布は東北北部から九州の屋久島まで広がっています。
天然のスギには国の天然記念物に指定されているものも多く、山形県羽黒山(はぐろさん)の杉並木や栃木県の日光杉並木街道、樹齢1000年を超える屋久島の屋久杉などがあります。スギは加工が容易なので、建築や家具、船舶など様々な分野で利用されています。
また、弥生時代の住居跡からも大量のスギ材が発見されており昔から私たちの生活になじみ深かったといえるでしょう。私たちの生活を見回してみるとスギで作られた製品をたくさん見ることができるのではないでしょうか。
お天気豆知識(2025年03月08日(土))


スギは私たちの身のまわりではどのようなものに利用されているでしょうか。例えば、和菓子の箱、酒だる、割りばし、床柱(とこばしら)などが挙げられます。
和菓子の箱にスギが使われるのはスギには特有の芳香があるからです。同様に、酒だるにも日本酒に香りをつけるためスギが愛用されてきました。
酒だるの材料には幹の中央の赤みの部分が使われます。また、割りばしには手触りがよくて、きれいに割れる木材が適していますが、これも繊維がまっすぐで割れやすいスギが多く利用されています。
そして、その木肌の美しさから和室のシンボル的な存在である床柱(とこばしら)にもスギはよく利用されています。
床柱となるスギには、皮をむいた丸太を砂で磨いて木目の美しさを浮きだたせる加工をほどこした「磨き丸太」と呼ばれるものがあります。
このように、私たちの身の回りにはスギの特徴をいかした製品があり、私たちの生活に欠かせないものとなっているのです。