春になると、時々黄色っぽい砂が飛んでくることがあります。
この砂の影響で洗濯物が汚れたり、車も砂まみれになってしまい、やっかいなものです。
これは黄砂(こうさ)と呼ばれるもので、とくに、西日本でよく起こる現象です。
長崎では4月中旬に最も観測されており、これからの季節は黄砂に悩まされることが多くなってきそうです。
お天気豆知識(2025年02月21日(金))


黄砂のふるさとは、中国の黄河上流に位置するタクラマカン砂漠やゴビ砂漠などの砂漠地帯です。
春になると、低気圧がこのあたりで発生し、砂漠の砂を上空に巻き上げます。砂は3000メートルから5000メートルの高さまで巻き上げられることもあり、そのまま低気圧とともに日本列島まで流れてくるのです。
ひいては、ハワイやアメリカ西海岸に達する場合もあります。グアムやミクロネシア諸島へ流されていくことや、はたまた、北極へ到達することもあるといわれています。
やっかいものの黄砂ですが、冬の間は(例外はあるものの)日本にはほとんどやってきません。これは砂漠地帯で砂が巻き上げられにくかったり、低気圧の進むコースが違うためと考えられます。
春になると、天気図上では西高東低の冬型の気圧配置が減ってきて、高気圧や低気圧が交互にやってくるようになります。この高気圧や低気圧が徐々に温かい春の空気を運んでくるように黄砂も運んでくるのです。
つまり、黄砂は、大陸からやってくる春の使者ともいえるのです。